Excel VBA で Access クエリ結果を列名付きで取込む方法

2025年7月26日

Access のクエリ（例：qry_invoice_list）を Excel に自動転送したい場合、DAO（Data Access Objects）を用いるとシンプルに実装できます。本記事では「列名も含めて貼り付ける」処理に焦点を当て、参照設定不要で動作するコードをご紹介いたします。

サンプルコード

Sub ImportQueryWithHeaders()
    Dim daoEngine  As Object          ' DAO エンジン
    Dim dbConnect  As Object          ' Access DB 接続
    Dim rsQuery    As Object          ' クエリ結果
    Dim headerCol  As Long            ' ヘッダー用ループ変数
    Dim accdbPath  As String          ' データベース パス
    
    ' Access ファイルのフルパスを設定
    accdbPath = ThisWorkbook.Path & "\sales_report.accdb"
    
    ' DAO エンジン生成とデータベース接続
    Set daoEngine = CreateObject("DAO.DBEngine.120")
    Set dbConnect = daoEngine.OpenDatabase(accdbPath)
    
    ' クエリ（qry_invoice_list）をレコードセットとして取得
    Set rsQuery = dbConnect.OpenRecordset("qry_invoice_list")
    
    ' 列名を書き込む（開始セル F1）
    For headerCol = 0 To rsQuery.Fields.Count - 1
        Sheet1.Cells(1, headerCol + 6).Value = rsQuery.Fields(headerCol).Name
    Next headerCol
    
    ' データを書き込む（F2 以降）
    Sheet1.Range("F2").CopyFromRecordset rsQuery
    
    ' 後始末
    rsQuery.Close
    dbConnect.Close
End Sub

コード解説

項目	説明
`CreateObject("DAO.DBEngine.120")`	DAO 12.0 を動的に呼び出しますので、参照設定は不要です。
`OpenDatabase(accdbPath)`	変数 `accdbPath` に格納した `.accdb` を開きます。
`OpenRecordset("qry_invoice_list")`	Access 側で作成済みのクエリ名を指定します。
ヘッダーの出力	`Cells(1, 6)`（セル F1）からフィールド名を書き込みます。
データの出力	`CopyFromRecordset` により、セル F2 から一括貼り付けします。

カスタマイズのポイント

クエリ名の変更
Access で使用しているクエリ名に合わせて qry_invoice_list を変更してください。
貼り付け先セルの調整
列や行を変更する場合は Cells と Range の位置を編集します。
64 ビット Office での DAO バージョン
DAO.DBEngine.120 が動かない場合は DBEngine.140 などに置き換えてお試しください。

応用例

パラメータ付きクエリの取り込み
SQL 文を直接指定して、期間や担当者で絞り込んだ結果を読み込むことも可能です。
例： vbaコピーする編集するSet rsQuery = dbConnect.OpenRecordset( _ "SELECT * FROM qry_invoice_list WHERE SaleDate >= Date() - 30")
複数シートへの自動出力
シートを動的に追加し、月別・担当者別などに分けてデータを貼り付けることで、自動レポート作成が効率化されます。