住宅ローンを組む際、多くの人が悩むのが「固定金利と変動金利、どちらを選ぶべきか」という問題です。どちらにもメリット・デメリットがあるため、自分のライフプランに合った選択をすることが大切です。
本記事では、固定金利と変動金利の違いや、過去20年間の変動金利の動向、選ぶ際のポイントについてわかりやすく解説します。
1. 固定金利と変動金利の違い
住宅ローンには主に「固定金利」と「変動金利」の2種類があります。それぞれの特徴を見ていきましょう。
固定金利の特徴
- 借入時の金利が最後まで変わらない
- 毎月の返済額が一定で、資金計画が立てやすい
- 将来的に市場金利が上がっても影響を受けない
- ただし、変動金利よりも金利が高めに設定されることが多い
固定金利が向いている人
- 将来の金利上昇リスクを避けたい
- 安定した返済計画を立てたい
- 長期間のローンを考えている
変動金利の特徴
- 半年ごとに金利が見直される
- 借入時の金利が低く、固定金利よりも総返済額が少なくなる可能性がある
- 市場金利が下がればメリットがあるが、上がれば返済額も増える
- 金利上昇に備えた対策が必要
変動金利が向いている人
- 短期間でローンを完済する予定がある
- 金利が低いうちに繰り上げ返済を考えている
- 多少の金利変動リスクを許容できる
2. 過去20年間の変動金利の動向
変動金利は「上がるリスクもあるが、下がることもある」と考えがちですが、実際のところ、過去20年間で大きく下がったタイミングはほとんどありません。
- 2007年〜2008年頃にかけて金利が一時的に上昇したものの、その後はほぼ横ばい
- 2000年以降、変動金利はほぼ2.3%前後で推移(金融機関による差はあり)
- 日本の低金利政策が長期間続いており、過去20年間は大きな変動がなかった
つまり、変動金利を選ぶ場合、「金利が下がることで得をする」という可能性は低く、むしろ金利が上がるリスクを考慮する必要があります。
3. それでも変動金利が選ばれる理由
「変動金利は将来的に上がる可能性があるなら、リスクが大きすぎるのでは?」と考える人もいるかもしれません。しかし、以下のような理由で変動金利を選ぶ人も多くいます。
固定金利よりも低い水準で借りられる
例えば、固定金利1.5%、変動金利0.5%なら、最初の金利差は1.0%。
短期間で完済できるなら、変動金利のほうが総返済額を抑えられる可能性があります。
短期間で完済するならリスクが低い
10年以内に完済予定の人は、変動金利の影響をほとんど受けずに済むことが多いです。
5年ルール・125%ルールがある
日本の住宅ローンには、急激な金利上昇を抑えるためのルールがあります。
- 5年ルール:金利が上がっても、5年間は返済額が変わらない
- 125%ルール:金利が上がっても、1回の見直しで月々の返済額が1.25倍までしか増えない
このため、急激に返済負担が増えるリスクはある程度抑えられています。
4. どちらを選ぶべき?判断のポイント
固定金利が向いている人
- 長期間のローンを組む(20年以上)
- 返済額が変わるリスクを避けたい
- 将来の金利変動を気にせず安心して返済したい
変動金利が向いている人
- 10年以内の短期間で完済予定
- 繰り上げ返済を活用する計画がある
- 金利上昇のリスクに対応できる資金的余裕がある
まとめ
住宅ローンの固定金利と変動金利には、それぞれのメリット・デメリットがあります。過去20年間で変動金利が大きく下がることはなかったため、今後の金利動向を見極めることが重要です。
- 安定を重視するなら固定金利
- 低金利を活かしたいなら変動金利(ただしリスク管理を徹底)
最適な金利タイプは人それぞれ異なるため、自分のライフプランに合った住宅ローンを選びましょう。