プログラミングを学ぶ上で、「変数」は避けては通れない、非常に重要な概念です。変数を使いこなせると、コードが格段に柔軟で読みやすくなります。
この記事では、C#における変数の基本的な使い方と、データを正しく扱うための「型」について、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
変数とは?データを一時的に保管する箱
変数とは、数値や文字などのデータを入れておくための「箱」のようなものです。この箱には、後から中身を識別できるように名前を付けることができます。
例えば、テストの点数「85」という数値を、「myScore」という名前の箱に入れて保管しておく、といったイメージです。
変数を使うには、大きく分けて2つのステップがあります。
- 宣言:どんなデータを入れるための箱なのかを決めて用意する。
- 代入:用意した箱に、実際のデータを入れる。
変数の使い方:宣言と代入
1. 変数の「宣言」
まず、変数という名の箱を用意します。これを宣言するといいます。 C#では、「どんな種類のデータを入れる箱か」を最初に決めなければなりません。例えば、整数を入れるための変数は int
という目印を付けて宣言します。
// int型(整数を入れるための)変数 aを宣言
int a;
2. 値の「代入」
次に、宣言した変数に値(データ)を入れます。これを代入するといいます。代入には =
(イコール) を使います。
int a; // 整数を入れる変数 a を宣言
a = 100; // 変数 a に 100 を代入
// 変数 a の中身を表示
Console.WriteLine(a);
実行結果
100
宣言と代入を同時に行う
実際には、変数の宣言と値の代入は、以下のように一行でまとめて書くのが一般的です。
// 整数を入れる変数 a を宣言し、同時に 100 を代入する
int a = 100;
Console.WriteLine(a);
代表的なデータの「型」を確認しよう
C#には、入れるデータの種類に応じて、様々な「型」が用意されています。ここでは、特によく使われる代表的な5つの型を紹介します。
int型(整数)
int
は、10
や -5
のような小数点を含まない整数を扱うための型です。
// ユーザーの年齢を格納する
int userAge = 25;
Console.WriteLine(userAge); // 25
double型(浮動小数点数)
double
は、3.14
や -0.5
のような小数点を含む数値を扱うための型です。身長や温度など、より精密な数値を扱いたいときに使います。
// 円周率を格納する
double pi = 3.14;
Console.WriteLine(pi); // 3.14
string型(文字列)
string
は、「こんにちは」のような文字列を扱うための型です。値は "
(ダブルクォーテーション) で囲みます。
// ユーザー名を格納する
string userName = "山田太郎";
Console.WriteLine(userName); // 山田太郎
char型(一文字)
char
は、'A'
のような一文字だけを扱うための型です。値は '
(シングルクォーテーション) で囲むのがポイントです。
// 血液型を格納する
char bloodType = 'A';
Console.WriteLine(bloodType); // A
bool型(真偽値)
bool
は、true
(正しい) か false
(間違い) の二択の状態を扱うための型です。条件分岐などで「会員であるかどうか」などを判断する際に使います。
// ログインしているかどうかを格納する
bool isLoggedIn = true;
Console.WriteLine(isLoggedIn); // True
変数を応用する
変数は、他の計算結果や、別の変数の値を代入することもできます。
計算式で初期化する
変数を宣言する際に、計算式の結果をそのまま代入することができます。
// 80 + 15 の計算結果を変数 totalScore に代入する
int totalScore = 80 + 15;
Console.WriteLine(totalScore); // 95
他の変数で初期化する
ある変数の値を、別の新しい変数にコピーすることもできます。
C#
int scoreA = 100;
// 変数 scoreA の値(100)を変数 scoreB に代入する
int scoreB = scoreA;
Console.WriteLine(scoreB); // 100
まとめ
今回は、C#の変数の基本について解説しました。
- 変数は、データを入れておくための名前付きの箱。
- 宣言で箱を用意し、代入で中にデータを入れる。
- データには型があり、整数(
int
)、小数点(double
)、文字列(string
)など、種類に応じて使い分ける。 - 変数は、コードを分かりやすく、再利用しやすくするための重要なツールです。
まずは色々な型の変数を作って、値を表示させてみることから始めてみましょう。