【C#】DateTimeの比較:2つの日付の「前後」と「等価」を判定する方法

目次

DateTime(日時)の比較

C#で日付や時刻データを扱う際、2つのDateTimeオブジェクトの「どちらが新しい(未来)か、古い(過去)か」、「完全に同じ日時か」を比較する必要が頻繁に生じます。

例えば、イベントの開始時刻と終了時刻の前後関係を確認したり、データの更新日時が特定の日時より新しいかを判定したりする場合です。

DateTime構造体は、intdoubleといった数値型と同様に、比較演算子(>, <, ==, !=, >=, <=)を直接サポートしており、直感的な比較が可能です。


比較演算子(>, <, ==)による比較

DateTimeオブジェクトは、内部的にTicks(100ナノ秒単位の数値)で時刻を保持しています。時間が未来に進むほど、この値は大きくなります。

そのため、比較演算子を使用すると、「値が大きい=より未来(新しい)日時」として判定されます。

  • dt1 < dt2: dt1dt2 よりも過去(古い)
  • dt1 > dt2: dt1dt2 よりも未来(新しい)
  • dt1 == dt2: dt1dt2 は(ミリ秒以下のレベルまで)完全に同じ日時
  • dt1 != dt2: dt1dt2 が異なる日時
  • dt1 >= dt2: dt1dt2 と同じか、より未来

コード例:日時の前後関係を判定する

ここでは、2つのDateTimeオブジェクト(orderTimestampshippingDeadline)を定義し、if-else if-else構文でそれらの前後関係を判定する例を示します。

using System;

public class DateTimeComparisonExample
{
    public static void Main()
    {
        // 比較対象の日時を定義
        var orderTimestamp = new DateTime(2025, 11, 20, 14, 0, 0); // 注文日時: 14時
        var shippingDeadline = new DateTime(2025, 11, 20, 17, 0, 0); // 発送期限: 17時

        Console.WriteLine($"注文日時: {orderTimestamp}");
        Console.WriteLine($"発送期限: {shippingDeadline}");
        Console.WriteLine("---");

        // 比較演算子を使用して前後関係を判定
        if (orderTimestamp < shippingDeadline)
        {
            // orderTimestamp が shippingDeadline よりも過去(古い)場合
            Console.WriteLine("注文日時は発送期限よりも前です。");
        }
        else if (orderTimestamp == shippingDeadline)
        {
            // 2つの日時が完全に一致する場合
            Console.WriteLine("注文日時と発送期限はまったく同じ時刻です。");
        }
        else if (orderTimestamp > shippingDeadline)
        {
            // orderTimestamp が shippingDeadline よりも未来(新しい)場合
            Console.WriteLine("注文日時は発送期限を過ぎています。");
        }
    }
}

出力結果:

注文日時: 2025/11/20 14:00:00
発送期限: 2025/11/20 17:00:00
---
注文日時は発送期限よりも前です。

Equalsメソッドによる等価判定

==演算子だけでなく、Equalsメソッドを使用して2つのDateTimeオブジェクトが等しいか(同じか)を判定することもできます。

var eventTimeA = new DateTime(2025, 1, 1, 12, 0, 0);
var eventTimeB = new DateTime(2025, 1, 1, 12, 0, 0);

// Equals メソッドによる等価判定
bool areEqual = eventTimeA.Equals(eventTimeB);

Console.WriteLine($"Equals() での比較結果: {areEqual}"); // True

比較時の注意点:Kind(タイムゾーン)

DateTimeの比較は、その内部的なTicks(数値)のみで行われます。DateTimeオブジェクトが持つKindプロパティ(Local, Utc, Unspecified)は、比較演算子の動作に直接影響を与えません

これにより、タイムゾーンの扱いを誤ると、意図しない比較結果を招く可能性があります。

問題が発生する例

例えば、日本のPC(UTC+9)で「今」をDateTime.Now(ローカル)とDateTime.UtcNow(UTC)で同時に取得すると、同じ瞬間を指しているにもかかわらず、Ticksの値が9時間分異なるため、==での比較はfalseになります。

using System;

public class KindComparisonWarning
{
    public static void Main()
    {
        // (仮に 2025/11/13 14:00:00 JST (UTC+9) に実行したとする)
        
        // 1. ローカル時刻 (JST)
        DateTime localTime = new DateTime(2025, 11, 13, 14, 0, 0, DateTimeKind.Local);
        
        // 2. 1. と同じ瞬間を指す UTC 時刻
        DateTime utcTime = new DateTime(2025, 11, 13, 5, 0, 0, DateTimeKind.Utc);

        // 14:00:00 (JST) と 05:00:00 (UTC) は、実際には同じ瞬間だが...
        
        Console.WriteLine($"ローカル時刻: {localTime:O}");
        Console.WriteLine($"UTC時刻: {utcTime:O}");

        // Ticks の値が異なるため、比較は false になる
        bool areEqual = (localTime == utcTime);
        Console.WriteLine($"'==' での比較結果: {areEqual}"); // False
    }
}

出力結果:

ローカル時刻: 2025-11-13T14:00:00.0000000+09:00
UTC時刻: 2025-11-13T05:00:00.0000000Z
'==' での比較結果: False

解決策

DateTimeオブジェクトを比較する際は、すべてのDateTimeをUTC(協定世界時)に統一してから比較することが、タイムゾーンに起因するバグを防ぐための最も堅牢な方法です。

dateTime.ToUniversalTime()メソッドを使用することで、LocalUnspecifiedDateTimeをUTCに変換できます。


まとめ

  • DateTimeの前後関係(新旧)は、><>=<= といった比較演算子で直感的に判定できます。
  • DateTimeの等価判定(同一時刻か)は、== 演算子または Equals メソッドを使用します。
  • 異なるタイムゾーン(Kind)のDateTimeを比較すると意図しない結果になるため、ToUniversalTime()などでUTCに揃えてから比較することが推奨されます。
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この記事を書いた人

私が勉強したこと、実践したこと、してることを書いているブログです。
主に資産運用について書いていたのですが、
最近はプログラミングに興味があるので、今はそればっかりです。

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