ROEの見極め方|高ROE企業が本当に優良かを見抜くポイント

投資や企業分析の際、「ROE(自己資本利益率)」が高い企業は魅力的に映ります。しかし、その高ROEが本当に実力によるものなのか、それとも見かけだけのものなのかを見極めることが、投資判断において非常に重要です。

本記事では、ROEの数値に隠れたリスクや注意点を、どのように見抜けばよいのかを具体的に解説いたします。


目次

■ ROEが高くなる仕組みを理解する

ROE(Return on Equity)は以下の式で求められます。

ROE(%)= 当期純利益 ÷ 自己資本 × 100

つまり、分子である「当期純利益」が増える、または分母である「自己資本」が減ることで、ROEの数値は高くなります。

このため、以下のようなケースでは、実際の経営力以上にROEが高く見えることがあります。

  1. 借入金を増やして自己資本を圧縮している
  2. 一時的な利益で当期純利益が膨らんでいる

これらを正しく見極めることで、ROEの“質”を判断することが可能です。


■ 見極めポイント①:負債によってROEが高くなっていないか

● なぜ注意が必要か

企業が自己資本を減らし、代わりに借入金(負債)を増やすと、見かけ上ROEは上昇します。これは「財務レバレッジ(てこの原理)」を利用した経営ですが、過度な借入は財務リスクを高める原因となります。

● 見るべき指標

1. 自己資本比率

自己資本 ÷ 総資産 × 100

この比率が40%未満の場合、借入への依存が強いと考えられます。

2. 負債比率

負債 ÷ 自己資本 × 100

200%を超える場合は、財務体質に注意が必要です。

3. ROA(総資産利益率)との比較

ROA = 当期純利益 ÷ 総資産 × 100

ROEだけが高く、ROAが低い場合は、借入でROEを押し上げている可能性があります。

● チェック方法

  • 四季報の「財務」欄
  • 企業のIRサイトにある貸借対照表(バランスシート)
  • 各種証券会社の企業分析ページ

■ 見極めポイント②:一時的な利益でROEが高くなっていないか

● なぜ注意が必要か

一時的な特別利益や資産売却益がROEを押し上げている場合、継続性がなく、翌期以降に利益が急減する可能性があります。

● 見るべき資料とポイント

1. 損益計算書の「特別利益」

当期純利益が前期より大きく増えている場合、営業利益や経常利益との乖離を確認してください。乖離が大きければ、特別要因による可能性があります。

2. 過去数年のROE推移

一時的に高くなっているだけであれば、複数年で見ると不安定な動きになっていることが多いです。

3. キャッシュ・フロー計算書

実際の現金の流れが伴っていない場合、利益が帳簿上だけで増えた「見かけの利益」である可能性があります。

● チェック方法

  • 決算短信(企業IRサイト)
  • 各年度の有価証券報告書(EDINET)
  • 投資信託や証券会社の「企業情報」分析ページ

■ 高ROE=優良企業とは限らない

ROEが高いことは、企業の収益力を示す一つの指標ですが、高ければ高いほど良いとは限りません。以下のような場合には特に注意が必要です。

  • 借金によって数値が作られている(レバレッジが効きすぎている)
  • 一時的な利益でROEが上がっている
  • 業種によってROEの基準が大きく異なる

そのため、ROEを見る際には、自己資本比率や負債比率、利益の質(継続性)なども含めた総合的な判断が必要です。


■ まとめ:ROEの「質」を見抜くことが投資成功の鍵

ROEは非常に重要な指標であり、効率的な経営の証でもありますが、その裏側に何があるのかを読み取ることが、投資において成功するための第一歩です。

  • 財務レバレッジの影響はないか
  • 一時的な利益ではないか
  • 継続してROEが高いか

このような視点を持って企業を分析することで、見かけだけではない「本当に強い企業」を見抜く力が養われます。

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この記事を書いた人

私が勉強したこと、実践したこと、してることを書いているブログです。
主に資産運用について書いていたのですが、
最近はプログラミングに興味があるので、今はそればっかりです。

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