ExcelのPower Queryを使用してデータを取り込む際、クエリエディタのサイドバーに表示される「サンプルファイルの変換」と「その他のクエリ」。
どちらもデータ変換を行うように見えますが、それぞれ目的や役割が異なります。
今回はこの2つの違いについて調べた結果をまとめました。
サンプルファイルの変換とは?
目的
「サンプルファイルの変換」は、フォルダ内にある複数のファイルに対して共通の変換処理を適用するためのテンプレートです。
たとえば、1つのフォルダに構造が同じExcelファイルやCSVファイルが複数入っているようなケースに適しています。
この機能は、サンプルとして選ばれた1ファイルに対して変換処理を作成し、その処理をフォルダ内の他のすべてのファイルに適用する、という仕組みで動いています。
使用方法
- 「フォルダーからのデータ取り込み」を選択
- Power Queryが自動でサンプルファイルを1つ選び、「サンプルファイルの変換」クエリを作成
- そのクエリで行ったデータ変換処理は、フォルダ内のすべてのファイルに適用される
その他のクエリとは?
目的
「その他のクエリ」は、Power Queryで作成されたすべての通常のクエリを一覧表示する領域です。
これには、フォルダからのデータ取り込みとは関係のない、単独のExcelテーブル・Webデータ・データベース接続などを含むすべてのクエリが含まれます。
また、他のクエリを参照した中間処理や、集計結果などもここに表示されます。
使用方法
- 通常のクエリ作成(Excel表から、CSVファイルから、SQL Serverからなど)で作成されるクエリはすべてここに表示
- 他のクエリと結合・マージ・参照など、分析・加工・結合処理の自由度が高い
- 「サンプルファイルの変換」に依存しない独立した変換が可能
サンプルファイルの変換とその他のクエリの違い
| 項目 | サンプルファイルの変換 | その他のクエリ |
|---|---|---|
| 主な用途 | フォルダ内の複数ファイルに共通の変換処理を適用するためのテンプレート | ワークブック内のすべての通常のクエリや中間処理を表示 |
| 作成されるタイミング | フォルダからファイルを読み込むと自動で生成される | クエリの種類に関係なく、すべてのユーザー作成クエリが表示される |
| 操作対象 | サンプルファイル(代表的な1つのファイル) | 単独ファイル、テーブル、参照クエリなど多種多様 |
| 他との関係性 | 「変換されたファイル」などのクエリに反映される元テンプレート | 必要に応じて他のクエリと結合・参照が可能 |
まとめ
Power Queryでデータを扱う際、「サンプルファイルの変換」と「その他のクエリ」には、以下のような明確な違いがあります。
- サンプルファイルの変換:複数ファイルに共通の変換処理を適用するためのテンプレート用クエリ
- その他のクエリ:ワークブック内で作成されたすべての通常クエリを一覧表示
Power Queryを効率よく活用するには、この2つの違いを理解して使い分けることが大切です。
今回の記事が、少しでも皆さまのPower Query活用の一助となれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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