はじめに
本日、学んだのは約90年前、1929年に発生した「暗黒の木曜日」についてです。
この事件は「ウォール街大暴落」とも呼ばれ、世界経済に深刻な影響を与えました。
暗黒の木曜日は、1929年10月24日(木曜日)に発生しました。最初の暴落を皮切りに、その後の2日間で壊滅的な大暴落が起こり、この日から1か月間でニューヨーク・ダウ平均株価は50%以上も下落する大パニックとなりました。
このパニックはアメリカ国内だけでなく、世界中の株式市場にも連鎖し、深刻な混乱を引き起こしました。
暗黒の木曜日の背景
なぜこのような大暴落が起こったのでしょうか。
1920年代、アメリカ経済は第一次世界大戦の終結を受け、労働力の回復と技術革新によって急成長の時代を迎えていました。
T型フォードに代表される自動車の普及、電話の普及による株式取引の活性化などが後押しし、経済は大量生産・大量消費社会へと移行していきました。
この好景気の中、株価は上昇を続け、1923年から6年間で株価はなんと約5倍にも達しました。
当時の多くの人々は「株価は上がり続ける」と信じ、借金までして株を購入するようになっていました。
しかし、1929年9月、ニューヨーク・ダウ平均株価が史上最高値の381ドルに到達した後、状況は変わり始めます。
不動産価格の低迷や工業指標の悪化が見え始め、株価は次第に下落へと向かっていきました。
暗黒の木曜日──暴落の瞬間
そして、1929年10月24日、ついに株価は急落します。
この日だけでダウ平均株価は**12.8%**も下落しました。
取引中には、個別銘柄で50%以上も値を下げるものも現れ、かつてない規模の暴落となりました。
これが「暗黒の木曜日」と呼ばれる出来事です。
暗黒後の株式市場の動き
暗黒の木曜日翌日の10月25日、モルガン銀行など大手金融機関が株式買い支えを表明したことで、一時的に株価は安定しました。
しかし、当時はラジオすら広く普及しておらず、週末の間に新聞報道を通じて株価暴落の情報がアメリカ全土に広がります。
そして週明けの10月28日(月曜日)、再び株価は暴落し、1日で12.8%の下落、続く29日(火曜日)も11.7%の下落を記録しました。
市場は完全にパニックに陥り、株価の下落は止まらず、わずか1か月でダウ平均株価は50%以上の暴落となりました。
最終的に、株式市場の崩壊は世界中へ波及し、やがて世界恐慌へとつながり、さらに第二次世界大戦へと歴史を動かすことになりました。
ちなみに、ダウ平均株価は1929年9月の最高値から1932年7月の最安値までの間に、**約89%**もの下落を記録しています。
その後の回復まで
この暴落を受け、株価が元の水準に回復するまでには非常に長い年月がかかりました。
ニューヨーク・ダウ平均株価が1929年の暴落前の水準に戻ったのは、1954年のことです。
実に25年もの歳月を要しました。
このことからも、1929年の暗黒の木曜日が「20世紀最大の財政危機」と呼ばれる所以がよくわかります。
暗黒の木曜日と世界恐慌の関係
暗黒の木曜日と、その後に続いた世界恐慌の関係については、現在もさまざまな議論や研究が続けられています。
株価暴落が世界恐慌を直接引き起こしたかどうかについては、いまだに明確な結論は出ていないのが実情です。
しかし、株式市場の崩壊が経済に甚大な影響を与えたことは間違いありません。
学んでみた感想
今回、暗黒の木曜日について学ぶきっかけとなったのは、第二次世界大戦を調べる中で、
「第二次世界大戦の前に世界恐慌があり、その前にウォール街の株式暴落があった」
という話を耳にしたことでした。
結論として、暗黒の木曜日が世界恐慌の直接の引き金だったかははっきりしないということが分かりました。
しかし、大規模な市場崩壊がもたらした社会不安や経済混乱が、後の世界を大きく変えたことは確かです。
最近では、2019年から始まった新型コロナウイルスによる経済混乱もあり、歴史は繰り返すものなのかと考えさせられます。
今後も、数字や動きを冷静に見極める視点を忘れずに、経済の流れを学び続けたいと感じました。