最近、ジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)の株を購入したので、ジョンソン・エンド・ジョンソンについて調べてみました。
ジョンソン・エンド・ジョンソンってどんな会社?
事業内容
ジョンソン・エンド・ジョンソンの事業は、医療医薬品、医療機器、一般消費者向け製品の3部門に大きく分かれています。
医療医薬品分野では、がん、精神疾患、神経疾患、免疫疾患、代謝・循環器疾患向けの医薬品の他にワクチンなんかも展開しています。
医療機器分野では、外科手術に使われる縫合糸や医療用消毒器、骨折治療用機器などを取り扱っています。
一般消費者向け製品の分野ではバンドエイドやベビーオイル、ベビーパウダー、コンタクトレンズ、解熱鎮痛薬のタイレノールや目薬のバイシンなどを製造販売しています。
それぞれが強いブランドを有して、きちんとキャッシュを稼いでいるので、57年間も配当を増やし続けられているのです。
バンドエイドなどが商品としては有名なのでB to Cビシネスが主要だと思いがちですが、
実はジョンソン・エンド・ジョンソンの収益の85%が製薬・医療機器という病院向けのB to Bビジネスを行なっている会社です。
ジョンソン・エンド・ジョンソンの格付け
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、世界最大の格付け期間であるS&PからAAAを取得しています。
ちなみにAAAというの評価は2社にしか与えらていません。もう1社はマイクロソフトです。
高い営業利益率。
特許を多く取得している。
毎年多額の研究開発費を投じているので、ここが他社を寄せ付けない競争力の源泉。
などがAAAの理由となっております。
ジョンソン・エンド・ジョンソンは超がつくほどの優良企業です。
歴史
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、1886年にジョンソン3兄弟によって創業された企業です。
19世紀後半、アメリカ南北戦争において、傷を負った兵士が傷を治したにもかかわらず、感染症によって命を落としていることに心を痛めた、ロバート・ウッド・ジョンソンは当時の最新医療論を取り入れ、手術で使う殺菌済み外科用包帯と縫合糸を大量生産しました。その当時、無菌室などなく手術を行っていたので治療後に微生物が原因で感染症を招き、術後の生存率は低かったらしいです。なので、この「殺菌済み」というアイデアは革新的だったようです。
その後も「人々の尊い命を救い、健康を支えたい」という創業者の思いは今も引き継がれています。
裁判
ジョンソン・エンド・ジョンソンがヘルスケア企業なのでいろいろと裁判を起こされています。
その中で大きな2つを紹介します。
ベビーパウダー訴訟
2017年ごろから、ベビーパウダーの裁判が相次いで行われていました。
内容は「ベビーパウダーに含まれていたアスベストが原因で卵巣がんを発症した」と主張する訴訟です。
ジョンソン・エンド・ジョンソン側は「長年にわたる外部の科学的調査でベビーパウダーの安全性は確認されている。アスベストは含まれておらず、がんの原因にはならない」と表明しています。
結局、ミズーリ州の控訴裁判所はジョンソン・エンド・ジョンソンの賠償責任を認めると判断を下し、賠償金額は21億ドルになりました。
オピオイド中毒をめぐる訴訟
2019年にジョンソン・エンド・ジョンソンはアメリカ・オクラホマ州に処方鎮痛剤などに含まれる麻薬性鎮痛薬オピオイドの中毒蔓延をめぐり、5億7200万ドルの制裁金を払うように命じられました。
他にもオクラホマ州はアメリカのパーデュー・ファーマ社やイスラエルのデヴァ・ファーマシューティカルにも制裁金を命じましたがそれぞれ和解しています。
オクラホマ州の弁護士は「ジョンソン・エンド・ジョンソンのマーケティングが医師による鎮痛剤の過剰処方に繋がり、これが公的不法妨害を引き起こし、オクラホマ州での中毒死が増えた」と述べています。
これに対して、ジョンソン・エンド・ジョンソン「マーケティングは科学的根拠に基づいており、自社製品はオクラホマ州で処方されたオピオイド系鎮痛剤のほんの一部にすぎない」と強く反論しました。
こちらはまだ決着がついてみたいなので、今後が気になります。
事件
事件もありました。
タイレノール事件
ジョンソン・エンド・ジョンソンで有名な事件と言えば、「タイレノール事件」です。
タイレノールとは、鎮痛剤の商品名です。現在、日本にも「いつでも(空腹時でも)飲めて効く頭痛薬」というキャッチコピーで販売されています。
そんなタイレノールですが、1982年9月30日、当時これを服用したシカゴ周辺の人々が次々に「突然死」を遂げるという不可解な事態が発生したのです。
事件発生直後はタイレノールへの毒物混入が疑われ「商品に疑いがある」とされていましたが、後の調査で毒物はジョンソン・エンド・ジョンソンの工場ではなく、店頭で何者かによってタイレノールに毒物が混入されたことが明らかになりました。
この事件のジョンソン・エンド・ジョンソンの対処が素晴らしく、ビジネススクールのケーススタディにもよく使われています。
ジョンソン・エンド・ジョンソンのマーケット情報
財務指標(実績)
粗利益率(%) | 65.70 |
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ROE(%) | 23.49 |
株価売上高倍率 | 5.21 |
PER(倍) | 30.27 |
PBR(倍) | 6.80 |
1株当たりデータ
1株当たり売上高(ドル) | 30.92 |
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EPS(ドル) | 5.47 |
1株当たり純資産(ドル) | 24.04 |
1株当たり現金及び短期投資現金(ドル) | 9.57 |
1株当たりキャッシュフロー(ドル) | 8.13 |
1株当たり配当(ドル) | 3.98 |
業績予測
総売上高(予想)(百万ドル) | 91,295.28 |
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利益(予想)(百万ドル) | 19,868.00 |
EPS(予想)(ドル)* | 7.84 |
1株当たり配当(予想)(ドル) | 4.19 |
PER(予想)(倍)* | 20.95 |
業績の推移
(単位:百万ドル)
年度 | 2017/01 | 2017/12 | 2018/12 | 2019/12 | 2021/01 | 2021/12 |
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発表日時 | 2017/01/24 | 2018/01/24 | 2019/01/22 | 2020/01/22 | 2021/01/26 | コンセンサス(予) |
連・単 | 連 | 連 | 連 | 連 | 連 | — |
売上高 | 71,890.00 | 76,450.00 | 81,581.00 | 82,059.00 | 82,584.00 | 91,295.28 |
営業利益 | 19,803.00 | 17,673.00 | 17,999.00 | 17,328.00 | 16,497.00 | — |
税引前当期利益 | 19,803.00 | 17,673.00 | 17,999.00 | 17,328.00 | 16,497.00 | 30,694.49 |
当期利益 | 16,540.00 | 1,300.00 | 15,297.00 | 15,119.00 | 14,714.00 | 19,868.00 |
EPS(ドル) | 6.04 | 5.31 | 5.70 | 5.72 | 5.47 | 7.84 |
PER(倍) | 18.74 | 26.30 | 22.62 | 25.52 | 29.99 | 20.95 |
配当(ドル) | 3.15 | 3.32 | 3.54 | 3.75 | 3.98 | 4.19 |
1株当り純資産 (ドル) | 26.02 | 22.43 | 22.44 | 22.59 | 24.04 | 32.38 |
まとめ
最近ではコロナワクチンで苦戦しているイメージですが、やっぱり「配当王」「格付けAAA」というの魅力的です。
長く保有していこうと思っています。