株式市場は常に右肩上がりではない
株式市場は、長期的に見れば成長を続けていますが、
常に右肩上がりで上昇し続けるわけではありません。
たとえば、金融先進国アメリカにおいても、
- 1980年代前半の長期低迷期
- 1987年10月のブラックマンデー(1日で株価が20%以上下落)
など、大きく相場が崩れる局面がありました。
このように、株式市場には必ず下落局面が存在します。
ETF投資を成功させるためには、
- 相場が崩れたときにいかにうまく立ち回るか
- リスクをいかに抑えるか
が重要なポイントになります。
では、株価が下落し、投資家心理が悪化する中で、どのようにETFを取引していけばよいのでしょうか。
ディフェンシブ投資とは何か
市場環境が悪化したときに有効な投資方法のひとつが「ディフェンシブ投資」です。
ディフェンシブ(Defensive)とは、英語で「防御的」という意味を持ちます。
つまり、景気拡大期に強い成長株や景気敏感株を狙うのではなく、
景気後退局面でも比較的業績が安定する企業群に投資する手法を指します。
具体的には、
- 電力・ガスなどの公共セクター
- 医薬品セクター
といった、景気動向に左右されにくい業種が該当します。
個別株に投資する場合、ディフェンシブ戦略の採用は比較的容易ですが、
どの銘柄を選ぶか、どのタイミングで組み入れるかを慎重に考える必要があります。
ETFを活用したディフェンシブ・ポートフォリオの組み方
ETFを活用してディフェンシブなポートフォリオを構築する場合、
単に公共セクターや医薬品セクターのETFを選ぶだけでなく、
- 株価と相関性の低い資産クラスに投資する
という考え方が非常に効果的です。
つまり、株式市場全体の値動きと異なる動きをする資産を組み合わせることで、
ポートフォリオ全体のリスクを抑え、安定した運用を目指すというアプローチです。
相関性とは
「相関性」とは、2つの資産クラスがどれくらい似た値動きをするかを示す指標です。
たとえば、
- NYダウ平均株価と日経平均株価が似た動きをしていれば「相関性が高い」
- 一方で、日経平均株価が上昇しているのに、香港市場が下落していれば「相関性が低い」
ということになります。
株価が下落する局面においては、単にディフェンシブ銘柄に絞るだけでなく、
株式と相関性の低い資産クラスに分散投資することも非常に有効です。
株価と相関性が低い主な資産クラス
一般的に、株価との相関性が低い資産クラスには次のようなものがあります。
- 債券(例:米国債、社債など)
- コモディティ(例:金、原油など)
- 不動産(例:REIT)
これらの資産クラスをポートフォリオに組み込むことで、
株式市場が下落した場合でも、損失を緩和できる可能性が高まります。
まとめ|下落局面でも耐えられるポートフォリオを
株価は様々な要因により、日々変動しています。
そのため、大切なことは、
- 株価が下落した局面でも大きな損失を回避する
- リスクを分散して守りを固める
という視点を常に持ち続けることです。
ディフェンシブ・ポートフォリオは、攻めの投資だけに偏らず、
守りのバランスを取るための重要な手段となります。
今後も市場環境の変化に柔軟に対応できる資産運用を心がけていきたいと思います。