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【C++】名前空間 (namespace) の使い方を徹底解説(スコープ、エイリアス、using)
はじめに C++で大規模なプログラムを開発したり、複数の外部ライブラリを組み合わせて使ったりすると、異なる場所で定義された関数や変数が、偶然同じ名前を持ってしまうことがあります。これを「名前の衝突(競合)」と呼び、コンパイルエラーや意図しな... -
【C++】属性 ([[noreturn]], [[deprecated]]など) の使い方を解説
はじめに C++11以降、属性 [[...]] という統一的な構文が導入されました。属性は、コードの様々な要素(関数、クラス、変数など)に付加情報を与え、コンパイラの最適化を助けたり、特定のコードの使われ方について警告を出させたりするためのものです。 ... -
【C++】エラーハンドリングの3つの主要な方法(戻り値・例外・グローバル変数)
はじめに C++で堅牢なプログラムを作成するには、エラーハンドリングが不可欠です。ファイルが見つからない、ネットワークに接続できない、不正な入力が行われた、といったエラーは日常的に発生します。これらのエラーを放置すると、プログラムはクラッシ... -
【C++】標準例外クラスの使い方 | out_of_range 等のエラーを使い分ける
はじめに C++でエラーが発生した際、単に throw "エラーメッセージ"; のように文字列を投げるのではなく、標準ライブラリ <stdexcept> などで定義されている標準例外クラスを使うのが良い習慣です。 これらのクラスは std::exception を基底クラスと... -
【C++】noexcept の使い方 | 例外を送出しないことを明示する
はじめに C++の関数は、潜在的に例外を投げる可能性があります。しかし、ゲッター関数やムーブコンストラクタのように、「この関数は絶対に例外を送出しない」と分かっているものも多くあります。 C++11で導入された**noexcept指定子は、関数宣言の後ろに... -
【C++】std::error_code と system_error | OSレベルのエラーを扱う方法
はじめに C++で、ファイルが存在しない、ネットワークがダウンしている、アクセス権がない、といったOSが原因のエラーを処理する場合、単なる int のエラーコードを返すだけでは、エラーの原因が何であるかが分かりにくくなります。 C++11では、このような... -
【C++】std::exception_ptrで例外を保存・再送出する方法
はじめに C++の例外処理では、catchブロックで例外を捕捉すると、その場で処理するのが基本です。しかし、特にマルチスレッドプログラミングなどでは、「ワーカースレッドで発生した例外を、メインスレッドに伝えて、そこで処理させたい」という場面があり... -
【C++17】std::optional の使い方 | 値が存在しない可能性を表現する方法
はじめに C++で、関数が処理に成功した場合は値を返し、失敗した場合は「値がない」ことを示したい、という場面は頻繁にあります。従来は、-1のような特別な値(番兵)を返したり、ポインタでnullptrを返したり、boolの成否フラグを別途返したり、といった... -
【C++23】std::expected の使い方 | 正常値とエラー値を返す新しい方法
はじめに C++で、成功すれば結果を、失敗すればエラー情報を返したい関数を設計する際、従来はエラーコードを別途引数で受け取る、std::optionalを使う、例外を投げる、などの方法がありました。 C++23では、この「成功または失敗」を表現するための、より... -
Pythonのpython-docxでWord文書を読み書きする方法
この記事では、PythonでMicrosoft Wordファイル(.docx)を操作するためのライブラリpython-docxについて解説します。このライブラリを使えば、Word文書のテキスト読み込み、新規作成、段落や見出し、画像の追加、さらにはスタイルの適用といった作業を自... -
Pythonでフォルダ内の全PDFを一つのファイルに結合するスクリプト
この記事では、PythonのPyPDF2とpathlibライブラリを使い、特定のフォルダ内にあるすべてのPDFファイルをアルファベット順に一つのPDFファイルへと自動で結合する、実用的なスクリプトの作成方法を解説します。 1. 準備:PyPDF2のインストール このスクリ... -
【C++】assert の使い方 | 実行時にプログラムの前提条件をチェックする方法
はじめに プログラミングでは、「この関数が呼ばれるとき、このポインタはNULLであってはならない」「この変数の値は、必ず正の数のはずだ」といった、コードが正しく動作するための前提条件が存在します。 C言語由来の <cassert> (C++では <cass... -
【C++】static_assert でコンパイル時にアサーションを行う方法
はじめに プログラミングでは、テンプレートや定数式など、プログラムの実行前(コンパイル時)に満たされているべき特定の前提条件があります。例えば、「テンプレート引数は必ず正の数でなければならない」「sizeof(int)は4バイトでなければならない」と... -
【C++】プログラムを終了させる4つの方法 (exit, quick_exit, terminate)
はじめに C++のプログラムは、通常はmain関数の最後まで実行され、return 0; によって正常に終了します。しかし、時にはプログラムの途中で、特定の条件に基づいて即座に終了させたい場合があります。 C++の標準ライブラリ <cstdlib> と <excepti... -
【C++】std::stringオブジェクトを構築(生成・初期化)する様々な方法
はじめに C++のstd::stringは、文字列を柔軟に扱うための非常に強力なクラスです。その柔軟性は、オブジェクトを生成する際の豊富なコンストラクタに支えられています。 空の文字列として生成するだけでなく、C言語スタイルの文字列リテラルから、あるいは... -
【C++】std::stringの基本操作 | 代入・連結・比較の方法をまとめて解説
はじめに C++の**std::string**クラスは、C言語スタイルのchar配列が抱える煩雑さや危険性を解消し、文字列を安全で直感的に扱えるように設計されています。まるでintやdoubleのような基本データ型のように、自然な構文で様々な操作が可能です。 この記事... -
PythonのPyPDF2でPDFを操作する基本(最新版)
この記事では、PythonでPDFファイルの読み込み、テキスト抽出、ページの結合・回転、暗号化といった基本的な操作を行うためのライブラリPyPDF2の最新の使い方について解説します。 注記:PyPDF2はバージョン3.0で大幅に更新されました。この記事では、古い... -
PythonのopenpyxlでExcelグラフを作成する方法
openpyxlライブラリでは、スプレッドシート内のデータに基づいて、棒グラフ、線グラフ、円グラフなどのグラフをプログラムで作成し、シートに追加することができます。この記事では、その基本的な手順を解説します。 1. 準備:データの作成とモジュールの... -
PythonのopenpyxlでExcelの行・列の調整、セルの結合、ウィンドウ枠の固定を行う
この記事では、Pythonのopenpyxlライブラリを使い、Excelワークシートの見た目を整えるための基本的な操作、具体的には行の高さと列の幅の調整、セルの結合と解除、そしてウィンドウ枠の固定について解説します。 行の高さと列の幅を設定する シートのrow_... -
【C++】std::stringの文字数を取得する.size()と.length()の使い方
はじめに C++でstd::stringを扱う際、その文字列に何文字含まれているかという「長さ」を取得したい場面は頻繁にあります。 この目的のために、std::stringクラスには .size() と .length() という2つのメンバ関数が用意されています。この記事では、これ... -
【C++】std::stringの文字列を空にする.clear()の使い方
はじめに C++でstd::stringを扱う際、ループ処理の中で同じstring変数を再利用する前など、「文字列の中身を一旦すべて削除して、空の状態に戻したい」という場面があります。 この目的のために、std::stringクラスには .clear() というメンバ関数が用意さ... -
【C++】std::stringが空かどうかを判定する.empty()の使い方
はじめに C++でstd::stringを扱う際、ユーザーからの入力が空だった場合や、処理の途中で文字列が空になったかどうかを判定したい場面は頻繁にあります。 この判定には、.empty() というメンバ関数を使うのが、最もシンプルで推奨される方法です。.empty()... -
【C++】std::stringをC言語関数(printf等)で使う方法 (.c_str, .data)
はじめに C++でプログラミングをする際、printfやmemcpy、あるいは古いライブラリの関数など、引数としてC言語スタイルの文字列(終端NULL文字 (\0) で終わる char 配列へのポインタ)を要求するものを使いたい場面が時々あります。 しかし、C++のモダンな... -
【C++】std::stringをイテレータで操作する方法(iterator, const_iterator)
はじめに C++のstd::stringは、内部的には文字のコンテナであり、std::vectorなどと同様に、その要素(個々の文字)にアクセスするためのイテレータを提供します。イテレータは、文字列内の特定の位置を指し示す、ポインタのように振る舞うオブジェクトで... -
【C++】std::string::substrで部分文字列を抽出する方法
はじめに C++でstd::stringを扱う際、「文字列の先頭から5文字だけ取り出したい」「3文字目から4文字分を抜き出したい」といった、部分文字列を抽出したい場面は非常に多くあります。 この目的のために、std::stringクラスには .substr() というメンバ関数... -
【C++】stoi, stod で文字列を数値に変換する方法
はじめに C++で、ユーザーが入力した "123" のような文字列を、計算で使える 123 という数値(intやdouble)に変換したい場面は非常に多くあります。 C++11では、この目的のために <string> ヘッダーに、stoX (string to X) と呼ばれる一連の便利な... -
【C++】std::to_stringで数値を文字列に変換する方法
はじめに C++で、計算結果の数値と、説明の文字列を連結して一つのメッセージを作成したい、という場面は頻繁にあります。C++では、std::stringオブジェクトと数値を + で直接連結することはできません。 この問題を解決するために、C++11では <string&... -
【C++】std::string::findで文字列を検索する方法とnposの使い方
はじめに C++のstd::stringで、「ある文字列の中に、特定のキーワードが含まれているか」を調べたい場面は非常に多くあります。この目的のために、std::stringクラスには**.find()**という強力なメンバ関数が用意されています。 .find()は、文字列の中から... -
【C++20】starts_with, ends_withで文字列の前方/後方一致を判定する方法
はじめに C++で、「ファイル名が _backup で終わっているか」「URLが https:// で始まっているか」といった、文字列の前方一致または後方一致を判定したい場面は頻繁にあります。 従来は、.substr() や .compare() といったメンバ関数を組み合わせて、少し... -
【C++17】boyer_moore_searcherで高速な文字列検索を行う方法
はじめに C++で、長い文字列の中から特定のパターン(部分文字列)を探し出す場合、標準ライブラリ<algorithm>のstd::search関数が利用できます。 C++17では、このsearch関数と組み合わせて使うための検索オブジェクト(searcher)が導入されました...