目次
概要
Excel VBAでセルに文字列を入力する際、「”東京”」や「”森”」といったダブルクォーテーション(引用符)で囲まれた文字列を入力したい場面があります。
また、セルの数式中にも引用符を含めたい場合、正しいエスケープ(” の入れ方)を理解していないと、構文エラーが発生しやすくなります。
本記事では、VBAで引用符(”)を含んだ文字列や数式をセルに設定する方法について、実用的な例とともにご紹介いたします。
サンプルコード
Sub InsertQuotedTextAndFormula()
' セルに "佐藤" のような文字列を入力する
Range("E2").Value = """" & "佐藤" & """"
' 数式内に空文字("")を使う例
Range("G5:G7").Formula = "=IFERROR(D5*E5,"""")"
End Sub
コード解説
1. "佐藤"
のように引用符で囲まれた文字列をセルに入力する
Range("E2").Value = """" & "佐藤" & """"
- VBA内で文字列中に
"
を使いたい場合は、""""
のように二重で記述する必要があります。 """" & "佐藤" & """"
は、出力結果として"佐藤"
となります。- 実際にセルには
"
を含めたまま表示されます。
2. 数式において引用符(空文字)を含む例
Range("G5:G7").Formula = "=IFERROR(D5*E5,"""")"
- この数式は、
D列 × E列
がエラーなら空文字を返すという処理です。 """"
は Excel 上の""
(空文字)を意味します。- VBA で
"
を表すためには、連続して 2 つの"
を記述する必要があります。
応用例
"済"
など、引用符で囲まれた状態での表示が必要な業務帳票- 数式で
IF
,IFERROR
,TEXT
,CONCATENATE
などと組み合わせて文字列制御 - JSONやSQL風の文字列フォーマットをセルに入力
よくあるミスと対策
誤った記述 | 正しい記述 | 内容 |
---|---|---|
"佐藤" | """" & "佐藤" & """" | 引用符付き文字列の入力にはエスケープが必要 |
"=IFERROR(A1*B1,"")" | "=IFERROR(A1*B1,"""")" | 数式内の空文字には """" が必要 |
まとめ
本記事では、VBAでセルにダブルクォーテーション(”)を含んだ文字列や数式を入力する方法をご紹介いたしました。
処理内容 | 方法 |
---|---|
"文字列" のように表示 | """" & "文字列" & """" |
数式内に "" を含める | "=IFERROR(...,"""")" |
VBAにおける "(引用符)
の扱いは慣れが必要ですが、正しく記述できれば幅広い用途に応用が可能です。帳票の自動生成や条件付き出力などに、ぜひご活用ください。