Excelでセルに設定されたハイパーリンクに、マウスを合わせた際に表示される「ポップヒント(ScreenTip)」をご存じでしょうか。
ユーザーにリンク先の概要や注意点を伝える目的で、このツールチップを自由にカスタマイズできると、シートの使いやすさが大きく向上します。
本記事では、Excel VBAを使用して、ハイパーリンクのポップヒントを設定または変更する方法をご紹介いたします。
目次
想定する用途と目的
- ハイパーリンクに説明文を付けたい。
- クリック前にリンク先の概要や注意を表示したい。
- VBAで既存リンクのヒントだけを動的に変更したい。
VBAコードの例
以下のコードでは、セルD5に存在するハイパーリンクのポップヒントを設定しています。
Sub SetHyperlinkScreenTip()
Dim targetCell As Range
Set targetCell = ActiveSheet.Range("D5")
' セルに少なくとも1つのハイパーリンクがあるかを確認
If targetCell.Hyperlinks.Count > 0 Then
targetCell.Hyperlinks(1).ScreenTip = "クリックするとWebブラウザで開きます。"
Else
MsgBox "指定セルにハイパーリンクが存在しません。", vbExclamation
End If
End Sub
コードの補足解説
項目 | 内容 |
---|---|
targetCell.Hyperlinks(1) | セルに設定されている最初のハイパーリンクを対象とします。 |
.ScreenTip | ポップヒント(ツールチップ)のテキストを設定します。 |
.Count > 0 | ハイパーリンクが存在するかを確認する安全対策です。 |
ScreenTipの内容に改行を入れるには?
VBAでは vbCrLf
を使うことで改行を含めることができます。
.ScreenTip = "このリンクを開くと" & vbCrLf & "詳細情報が表示されます。"
よくある活用場面
- 外部サイトへのリンクに「※社外サイトに遷移します」と表示。
- ファイルリンクに「開くにはネットワーク接続が必要です」と表示。
- シート内リンクに「該当データの場所にジャンプします」と表示。
まとめ
Excel VBAを使えば、ハイパーリンクのポップヒント(ScreenTip)を動的に設定・変更することができます。
この機能は、ユーザーに事前情報を提示するだけでなく、誤操作の防止や案内の補足にも有効です。
特に複数のリンクを含む業務用ファイルでは、ポップヒントの有無が操作性を大きく左右します。
VBAを活用して、より親切でわかりやすいExcelファイルを実現してみてはいかがでしょうか。