2025年4月4日、米ニューヨーク株式市場は大きな混乱に見舞われ、ダウ工業株30種平均(いわゆるNYダウ)は前日比で2200ドル以上の下落を記録しました。この下落幅は過去3番目の規模となっており、投資家心理に与える衝撃の大きさがうかがえます。
この急落の背景には、米中間の関税政策をめぐる対立の激化があります。特に、中国が米国の関税措置に対抗する形で、新たに34%という大幅な追加関税を発表したことで、世界経済全体への不安が一気に高まりました。
市場の反応:安全資産へと資金がシフト
投資家の間では、株式というリスク資産からの資金流出が加速し、米国債や日本円といった「安全資産」への逃避的な資金移動が顕著となりました。その結果、米10年債利回りは約半年ぶりに4%を下回り、円相場も急伸。ドル円は一時、1ドル=144円台まで上昇しました。
こうしたリスク回避の動きは、NY市場だけでなく、日本や欧州の株式市場にも波及し、東京市場では日経平均株価が一時1400円超の下落となりました。まさに、世界同時株安の様相を呈しています。
過去の「ショック」事例との比較
今回の下落は、単なる一時的な調整とは異なる可能性があります。これまでも、米国の政治・経済政策をきっかけに世界市場が大きく揺れることはありました。代表的な事例としては、以下のようなものがあります。
リーマン・ショック(2008年)
リーマン・ブラザーズの経営破綻を契機とした金融危機で、株式市場はもちろん、不動産や雇用にまで深刻な影響を及ぼしました。
チャイナ・ショック(2015年)
中国経済の減速懸念が広まり、世界的に株価が急落しました。当時もNYダウは1000ドル超の急落を記録しています。
コロナ・ショック(2020年)
新型コロナウイルスの感染拡大によって実体経済が停止。ダウは一時、過去最大の下げ幅を記録しました。
これらと比較しても、今回の事象は「貿易政策」が引き金となっている点で特徴的です。政策による市場の混乱という意味では、「トランプ関税ショック」とも呼べるような局面に差しかかっているかもしれません。
日本市場への影響と今後の見通し
日本市場への影響も決して軽視できません。特に、輸出関連企業は米中の関税の影響を受けやすく、為替変動による収益の悪化リスクもあります。
また、投資信託や年金運用といった長期資産を保有する個人投資家にとっても、こうした世界的な市場の不安定化はポートフォリオ全体に影響を及ぼす可能性があります。
今後の展開は、米中両政府の対応次第ですが、現状ではさらに関税が引き上げられる可能性も示唆されており、市場のボラティリティ(変動性)はしばらく続くものと考えられます。
まとめ:一時的な下落か、新たなショックの始まりか
今回のダウ急落は、その下げ幅の大きさから「トランプ関税ショック」として後に記憶される可能性があります。単なる調整ではなく、政策リスクが市場に与える影響を改めて浮き彫りにした出来事といえるでしょう。
今後も投資を続けるうえでは、価格の上下に一喜一憂するのではなく、長期的な視点で市場の動向を冷静に見守る姿勢が求められます。