いまさら聞けないインスタンスとは?

~たこ焼き屋で学ぶプログラムの基本~

プログラミングを学び始めると、「インスタンス」という言葉をよく耳にします。しかし、いざ説明しようとすると「クラスとインスタンスの違いが曖昧」「なんとなく理解しているけど、具体的にどういうもの?」と感じる方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、「たこ焼き屋」を例にして、インスタンスをわかりやすく解説していきます。これを読めば、インスタンスの概念がしっかり理解できるはずです。


目次

1. インスタンスとは? たこ焼き屋で考えると…

まず、「クラス」と「インスタンス」の関係をたこ焼き屋にたとえてみます。

  • クラス → たこ焼きの「レシピ」(設計図)
    たこ焼きを作るための決まりごと(材料・作り方)が書かれています。しかし、レシピだけでは食べられません。
  • インスタンス → 実際に作られた「たこ焼き」(実体)
    レシピ通りに作って、ようやくお客さんに提供できるたこ焼きが完成します。これが「インスタンス」です。

プログラムで表現すると?

Python を使って、「たこ焼きのクラス」と「インスタンス」を作ってみます。

# クラス(たこ焼きのレシピ)
class Takoyaki:
    def __init__(self, flavor):
        self.flavor = flavor  # たこ焼きの味

    def show_flavor(self):
        print(f"このたこ焼きは {self.flavor} 味です!")

# インスタンス(実際のたこ焼き)
takoyaki1 = Takoyaki("ソース")
takoyaki2 = Takoyaki("しょうゆ")

# それぞれのたこ焼きの味を確認
takoyaki1.show_flavor()  # このたこ焼きは ソース 味です!
takoyaki2.show_flavor()  # このたこ焼きは しょうゆ 味です!

このコードでは、Takoyaki クラスが「たこ焼きのレシピ」、
takoyaki1takoyaki2 が実際に作られた「たこ焼き(インスタンス)」です。


2. インスタンスだけが存在することはあるの?

結論:インスタンスだけが存在することは基本的にありません。
なぜなら、インスタンスはクラス(設計図)から作られるものだからです。

たこ焼き屋で考えると?

たこ焼きを作るときに、「たこ焼きのレシピ(クラス)」がなかったらどうなるでしょうか?
何をどう作ればいいのかわからず、たこ焼きを作れませんよね。

プログラムでも同じで、クラスがないとインスタンスを作ることができません。

# クラスがないと、インスタンスを作れない
takoyaki = Takoyaki("ソース")  # ← もし Takoyaki クラスがなかったらエラー

3. 逆にクラスだけが存在することはあるの?

結論:クラスだけが存在することは可能です。
インスタンスを作らずに、クラスだけを定義しておくことはよくあります。

クラスだけが存在する例

① たこ焼き屋の準備

たこ焼き屋を開業するとき、最初にレシピ(クラス)を決めるだけで、まだ実際のたこ焼き(インスタンス)は作られていない状態です。

class Takoyaki:
    def __init__(self, flavor):
        self.flavor = flavor

この時点ではクラスだけが存在し、まだインスタンスはありません。

② たこ焼き屋全体の情報(クラスメソッド)

たこ焼き屋の営業時間や店名など、たこ焼き1個1個に関係しない情報は、インスタンスを作らなくても管理できます。

class TakoyakiShop:
    shop_name = "大阪たこ焼き本舗"

    @classmethod
    def show_shop_info(cls):
        print(f"いらっしゃいませ! ここは {cls.shop_name} です!")

# インスタンスなしでクラスメソッドを呼び出せる
TakoyakiShop.show_shop_info()

③ 親クラス(スーパークラス)

基礎クラス(親クラス)として定義されるが、直接使われない場合もあります。

class Food:
    def taste(self):
        pass  # 具体的な味の処理は子クラスで定義

class Takoyaki(Food):
    def taste(self):
        print("たこ焼きはおいしい!")

# Food クラスは直接使われず、Takoyaki だけが使われる
takoyaki = Takoyaki()
takoyaki.taste()  # たこ焼きはおいしい!

Food クラスは「食べ物全般」の基礎を定義していますが、直接使われることはなく、Takoyaki のような子クラスを作るために存在しています。


4. まとめ

概念たこ焼き屋での例プログラムでの例
クラスたこ焼きのレシピclass Takoyaki:
インスタンス実際に作ったたこ焼きtakoyaki1 = Takoyaki("ソース")
インスタンスだけが存在する?たこ焼きのレシピなしで作るのは不可能クラスなしでインスタンスを作るのは不可能
クラスだけが存在する?たこ焼き屋の準備段階や、お店のルールを決める時インスタンスなしでクラスメソッドを使うことができる

プログラムの世界では、「クラス」はあくまで設計図に過ぎず、インスタンスを作って初めて実際に機能します。しかし、状況によってはクラスだけ定義しておいたり、インスタンスを作らなくても使えるメソッドを活用することもあります。

たこ焼き屋の例で考えると、「インスタンス」という概念がぐっと身近に感じられるのではないでしょうか?
これを機に、ぜひ「クラス」と「インスタンス」を意識しながらプログラミングに取り組んでみてください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

私が勉強したこと、実践したこと、してることを書いているブログです。
主に資産運用について書いていたのですが、
最近はプログラミングに興味があるので、今はそればっかりです。

目次