概要
シリアル通信は、Arduinoや他のマイコンと周辺機器とのデータ交換において非常に重要な役割を果たします。特にRX(受信)ピンとTX(送信)ピンは、デバイス間でデータを送受信するための基本的なインターフェースです。今回は、RXとTXピンの役割、使い方、そして実際にどのように接続すれば良いかについて解説します。
1. RXとTXとは?
RX(受信)ピンとTX(送信)ピンは、シリアル通信(UART通信)の基本的な通信ラインです。これらのピンは、データを1ビットずつ送受信するために使用されます。
- TX (Transmit):データを送信するピンです。送信側(例えば、Arduino)から受信側(例えば、PCやセンサー)にデータを送ります。
- RX (Receive):データを受信するピンです。受信側(例えば、Arduino)が送信側(例えば、PCやセンサー)からのデータを受け取ります。
これらは、基本的に通信を行うための片方向の線ですが、送信側と受信側が反対の役割を持つことを理解しておくと、接続の際に混乱しません。
2. シリアル通信の基本的な動作
シリアル通信では、データがビット単位で順番に送受信されます。通信の基本的な流れは以下の通りです。
- 送信側(TX)からデータを送信: 送信側(TXピン)は、データを1ビットずつ順番に送ります。このデータは、一般的には**0(LOW)と1(HIGH)**の2つの状態で表現されます。
- 受信側(RX)でデータを受信: 受信側(RXピン)は、送信側からのデータを受け取ります。このデータは、通信の規格(例えば、ボーレート、データビット、パリティビット)に従って受信されます。
シリアル通信の基本的な構成
- TX -> RX:送信側のTXピンから受信側のRXピンにデータが流れます。
- RX -> TX:受信側のRXピンから送信側のTXピンにデータが返送されることは、逆方向の通信に使われます。
3. RXとTXの接続方法
RXとTXは常に逆方向で接続する必要があります。具体的には、次のように接続します。
- 送信側のTXピン → 受信側のRXピン
- 受信側のTXピン → 送信側のRXピン
例えば、ArduinoとPC(またはPCに接続したシリアルモジュール)の通信を行う場合、次のように接続します:
- ArduinoのTXピン(通常はD1ピン) → シリアルモジュールのRXピン
- ArduinoのRXピン(通常はD0ピン) → シリアルモジュールのTXピン
注意点:
シリアル通信において、ピンの接続は逆方向でなければなりません。つまり、送信側のTXピンは受信側のRXピンに接続され、受信側のRXピンは送信側のTXピンに接続される必要があります。
4. RXとTXの使用例
Arduinoのシリアル通信(USB経由)
ArduinoをPCに接続する際、USBポート経由でシリアル通信が行われます。この場合、Arduino内のTXピンとRXピンは、PCと直接接続されているわけではなく、USBシリアルコンバータを通じて通信が行われます。PCからArduinoへのデータ送信(TX → RX)、ArduinoからPCへのデータ送信(RX → TX)を行います。
外部センサーや機器との通信
電子天秤やGPSモジュール、温度センサーなどの外部機器とArduinoがシリアル通信を行う場合も、TXとRXピンを使ってデータをやり取りします。この場合、RS232-TTL変換モジュールを使って、RS232(パソコンなどで使われるシリアル通信規格)とArduinoのTTLレベル(5Vまたは3.3Vのデジタル信号)を変換します。
例えば、電子天秤とArduinoを接続する場合、RXピンとTXピンをRS232-TTL変換モジュールを介して接続し、通信を行います。
5. RXとTXの注意点
- ボーレートの一致:
通信を行う両者(例えば、Arduinoと電子天秤)のボーレート(通信速度)が一致していないと、データが正しく送受信されず、エラーが発生します。必ず、送信側と受信側でボーレートを一致させてください。 - データビット、パリティビット、ストップビットの一致:
ボーレートだけでなく、データビット(通常は8ビット)、パリティビット(NONE、EVEN、ODD)、ストップビット(通常は1ビット)なども一致させる必要があります。 - 接続の逆方向性:
先ほど述べたように、TXとRXは逆方向に接続する必要があります。接続が逆だと、送信したデータを受信することができません。
6. まとめ
- TX(Transmit)は、データを送信するピン、RX(Receive)は、データを受信するピンです。
- 両者は逆方向で接続し、送信側のTXピンを受信側のRXピンに、受信側のTXピンを送信側のRXピンに接続します。
- シリアル通信を使用する際には、ボーレートやデータビット、パリティビット、ストップビットの設定を一致させることが重要です。
- RXとTXはシリアル通信の基本的なインターフェースであり、データ交換を行うために不可欠な要素です。
これで、RXとTXピンの役割、接続方法、そしてシリアル通信に関する基本的な知識がカバーできたと思います。シリアル通信の際に役立つ理解を深めるための参考にしていただければ幸いです
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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