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概要
高い圧縮率を誇る「RAR形式」のアーカイブファイルを展開(解凍)するためのコマンドです。
Windows環境で圧縮されたファイルの受け取りや、分割ボリューム(.part1.rar, .part2.rar…)として配布されている大容量データを結合して復元する際に使用されます。
※多くのLinuxディストリビューションでは標準搭載されていないため、ノンフリー(non-free)リポジトリからのインストールが必要な場合があります。
仕様(引数・オプション)
構文
unrar [コマンド] [オプション] [アーカイブファイル名] [パス/ファイル...]
※ unrar はハイフンなしの「コマンド」と、ハイフンありの「オプション」を組み合わせて制御します。
主なコマンド(動作モード)
| コマンド | 説明 |
| x | ディレクトリ構造を保持したままファイルを展開します(推奨)。 |
| e | ディレクトリ構造を無視して、すべてのファイルをカレントディレクトリに展開します。 |
| l | アーカイブ内のファイル一覧を表示します。 |
| v | ファイル一覧を詳細情報(圧縮率やバージョン等)付きで表示します。 |
| t | アーカイブの整合性をテストします(展開は行いません)。 |
| p | ファイルの内容を標準出力に表示します(パイプ処理用)。 |
主なオプション(挙動変更)
| オプション | 説明 |
| -y | すべての質問(上書き確認など)に自動的に「Yes」で答えます。 |
| -o+ | 既存のファイルを強制的に上書きします。 |
| -o- | 既存のファイルを上書きしません。 |
| -x[file] | 指定したファイルを処理対象から除外します。 |
| -inul | エラーメッセージ以外のすべての出力を無効にします(サイレントモード)。 |
| -ierr | すべてのメッセージを標準エラー出力(stderr)に送信します。 |
| -c- | コメントの表示を無効にします。 |
| -p[pass] | パスワードを指定します(例: -pSecret123)。 |
基本の使い方
まずは展開せずに中身を確認します。
# アーカイブ内のファイルリストを表示
unrar l design_assets.rar
実行結果例
UNRAR 6.11 beta 1 freeware Copyright (c) 1993-2022 Alexander Roshal
Archive: design_assets.rar
Details: RAR 5
Attributes Size Date Time Name
----------- --------- ---------- ----- ----
-rw-r--r-- 1048576 2025-10-15 10:00 schema.sql
-rw-r--r-- 524288 2025-10-15 10:01 images/logo.psd
----------- --------- ---------- ----- ----
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実践コマンド
ディレクトリ構造を維持して展開する
最も標準的な使い方です。x コマンドを使用します。
# カレントディレクトリに構造を保って展開
unrar x design_assets.rar
特定のファイルだけを取り出す
アーカイブ全体を展開せず、必要なファイルだけを指定して復元します。
コマンドの引数としてパスを指定します(-x オプションではない点に注意)。
# imagesフォルダ内の logo.psd だけを展開
unrar x design_assets.rar images/logo.psd
アーカイブから特定のファイルを除外して展開する
逆に「これ以外」を展開したい場合に -x オプションを使用します。
# 重い .psd ファイルを除外して、それ以外を展開
unrar x design_assets.rar -x*.psd
カスタムポイント
- バッチ処理での確認スキップ (-y)スクリプト内で自動実行する場合、上書き確認などで処理が止まらないようにします。Bash
unrar x -y backup.rar /var/www/html/ - パスワード付きRARの展開 (-p)パスワードがかかっている場合、対話モードで入力を求められますが、オプションで指定することも可能です(履歴に残るため注意)。Bash
unrar x -pMyPassword123 secure_data.rar
注意点
- コマンド e と x の違いe (Extract) はディレクトリ階層を無視してすべてのファイルを同じ場所にぶちまけます。同名ファイルがある場合、上書きの競合が発生するため、通常は x (eXtract with full path) を使用してください。
- ライセンスunrar はフリーウェアですがオープンソースではありません(non-free)。完全にフリーな代替として unar(The Unarchiver)などがリポジトリに用意されている場合があります。
- 分割アーカイブの扱いdata.part01.rar, data.part02.rar… のような分割ファイルの場合、先頭のファイル(.part01.rar または .rar)を指定して実行すれば、自動的に後続のファイルを読み込んで結合・展開してくれます。
応用
アーカイブファイルの破損チェック
展開前にデータが壊れていないかを確認します。ダウンロード直後の確認に有効です。
# すべてのファイルをテスト(実際には展開しない)
unrar t large_backup.rar
実行結果例
Testing archive large_backup.rar
Testing images/background.png OK
Testing db_dump.sql OK
All OK
まとめ
unrar は、特にWindows環境とのやり取りや、分割圧縮された大容量ファイルの復元において必須となるコマンドです。
「中身を見る l」「構造通りに戻す x」「テストする t」の3つを基本として、自動化が必要な場合に -y オプションを組み合わせてください。
