目次
概要
PyAutoGUIを使用して、Webページや長いドキュメントをスクロール操作する方法を解説します。 基本的な縦方向のスクロール(scroll)に加え、スプレッドシートなどで役立つ横方向のスクロール(hscroll)についても触れます。数値の正負による方向の違いを理解することがポイントです。
仕様(入出力)
- 入力:
- スクロール量(整数: clicks)
- マウスカーソル位置(オプション: x, y)
- 出力:
- アクティブウィンドウまたはマウス下のウィンドウのスクロール動作
- 前提:
pyautoguiライブラリのインストールが必要です。- スクロール操作は「現在マウスカーソルがある位置のウィンドウ」に対して行われるのが一般的です。
基本の使い方
縦方向に画面をスクロールさせる基本的なコードです。 正の値で「上」へ、負の値で「下」へスクロールします。
import pyautogui
import time
# 準備時間
time.sleep(2)
# 上にスクロール(Webページの上部へ戻る動き)
pyautogui.scroll(500)
# 下にスクロール(Webページを読み進める動き)
pyautogui.scroll(-500)
コード全文
ブラウザやエディタ上で、上下のスクロールと水平スクロールを連続して行うデモコードです。 ※横スクロールは対応しているアプリケーション上でのみ動作します。
import pyautogui
import time
def scroll_demonstration():
"""
縦スクロールと横スクロールの動作を確認するデモ関数です。
実行後すぐにスクロール可能なウィンドウ(ブラウザ等)をアクティブにしてください。
"""
pyautogui.FAILSAFE = True
print("3秒後にスクロール操作を開始します...")
print("ブラウザやエディタにマウスカーソルを置いてください。")
time.sleep(3)
try:
# 1. 縦スクロール (Vertical Scroll)
# 引数の数値は「クリック数」に相当し、感度はOS設定に依存します
print("下にスクロール中...")
for _ in range(3):
pyautogui.scroll(-300) # 負の値 = 下方向
time.sleep(0.5)
print("上にスクロール中...")
pyautogui.scroll(900) # 正の値 = 上方向
time.sleep(1)
# 2. 横スクロール (Horizontal Scroll)
# ※OSやアプリによっては動作しない場合があります(主にLinux/macOS向け機能)
print("右にスクロール試行中...")
pyautogui.hscroll(100) # 正の値 = 右方向
time.sleep(0.5)
print("左にスクロール試行中...")
pyautogui.hscroll(-100) # 負の値 = 左方向
print("操作完了")
except KeyboardInterrupt:
print("中断されました。")
if __name__ == "__main__":
scroll_demonstration()
カスタムポイント
パラメータの意味
scroll(clicks, x=None, y=None)
- clicks (int):
- スクロール量を整数で指定します。
- 正の値 (+): 上へスクロール(ホイールを奥へ回す)
- 負の値 (-): 下へスクロール(ホイールを手前へ回す)
- x, y (int):
- 指定すると、まずその座標へマウスを移動してからスクロールを実行します。
- スクロールイベントは「マウスカーソルの下にあるウィンドウ」に送られるため、この引数が役立ちます。
横スクロール (hscroll)
pyautogui.hscroll(clicks)- 水平スクロールを行います。Excelなどの横に長い画面で有効です。
- 正の値: 右へスクロール
- 負の値: 左へスクロール
注意点
- OS・アプリごとの感度の違い
- 引数
clicksの1単位がどれくらいスクロールするかは、OSの設定やアプリケーションによって大きく異なります。 - 「100」で1行しか動かないアプリもあれば、1画面分動くアプリもあります。必ずテストして調整してください。
- 引数
- マウスカーソルの位置
- コードを実行してもスクロールしない場合、マウスカーソルがスクロール対象のウィンドウ(メイン領域)の外にある可能性があります。
moveTo()やclick()で対象ウィンドウをアクティブにしてから実行するのが確実です。
- Windowsでの横スクロール
- Windows環境では
hscroll()が正しく動作しない(無視される)場合があります。 - その場合、Shiftキーを押しながら
scroll()するなどの代替操作(keyDown('shift')+scroll())が必要になることがあります。
- Windows環境では
応用
特定の座標にあるリストボックスやチャットログをスクロールさせる関数です。移動とスクロールをセットにします。
import pyautogui
import time
def scroll_target_area(target_x, target_y, amount):
"""
指定した位置へマウスを移動し、そこにある要素をスクロールさせます。
"""
pyautogui.FAILSAFE = True
# 指定位置へ移動(移動しないと別の場所がスクロールしてしまうため)
pyautogui.moveTo(target_x, target_y, duration=0.5)
# 少し待機してフォーカスを安定させる
time.sleep(0.2)
# スクロール実行
print(f"座標({target_x}, {target_y}) で {amount} スクロールします")
pyautogui.scroll(amount)
if __name__ == "__main__":
# 例: 画面中央付近を下にスクロール
w, h = pyautogui.size()
scroll_target_area(w // 2, h // 2, -500)
まとめ
PyAutoGUIのスクロール操作は、基本的に scroll(amount) で行います。「正が上、負が下」という法則を覚えておけば迷いません。 ただし、スクロール量は環境依存が強いため、決め打ちの値にするのではなく、実際のアプリ上で挙動を確認しながら数値を調整することをお勧めします。
