AIチャットサービスやリアルタイム通信を行うWebアプリケーションを使用している際、唐突に「1013」というエラーコードが表示され、接続が切れることがある。 ブラウザをリロード(再読み込み)すると即座に復旧することが多いが、この挙動には明確な技術的理由がある。 本記事では、WebSocketにおけるエラーコード1013の意味と、その挙動について解説する。
1013: Try Again Later とは
エラーコード 1013 は、Web通信規格の一つであるWebSocketプロトコルにおいて、「Try Again Later(あとで再試行してください)」 を意味するステータスコードである。
IANA(Internet Assigned Numbers Authority)の定義によると、サーバーが一時的な過負荷状態にあるか、あるいは一時的なメンテナンス等の理由により、リクエストを処理できない状態であることを示している。
発生する原因
このエラーは、クライアント(ユーザー側)の不備や、永続的なプログラムのバグではない。あくまで「サーバー側の都合」による一時的な切断である。 主な発生要因は以下の通り。
- サーバーの一時的な過負荷: アクセスが急増し、サーバーのリソース(CPUやメモリ)が逼迫したため、新規または既存の接続を一時的に遮断した。
- アップストリームサーバーの問題: Webサーバーの背後にあるデータベースやAPIサーバーからの応答が遅延し、タイムアウトが発生した。
- デプロイや再起動: サービスの更新に伴い、サーバープロセスが再起動されたタイミングに遭遇した。
対処法
ページをリロード(再読み込み)する。
ユーザー側で取れる対策はこれに尽きる。 エラーの本質が「一時的な拒絶」であるため、数秒から数十秒後に再接続を試みれば、サーバーの状態が回復しており、正常に通信が再開される可能性が高い。
もし開発者としてWebSocketクライアントを実装している際にこのコードに遭遇した場合は、即座に再接続ループに入るのではなく、数秒の待機時間を設けてから再試行する「エクスポネンシャル・バックオフ(指数関数的バックオフ)」などのロジックを組み込むのが適切なハンドリングとなる。
