Excelで「保護ビューでファイルを開くことができませんでした」と表示される原因と対処法

目次

はじめに

Excelでファイルを開こうとしたときに、

「保護ビューでファイルを開くことができませんでした」

というメッセージが表示され、思うように作業が進まないことはないでしょうか。
特に、あるときは普通に開けるのに、別の日には同じファイルでこのエラーが出ることもあり、「なぜ出たり出なかったりするのか分からず、ただストレスがたまる」という方もいらっしゃると思います。

本記事では、

  • このメッセージの意味
  • 表示されたり、されなかったりする理由
  • 保護ビューを減らす・制御するための現実的な設定方法

について、できるだけ分かりやすく整理してご紹介します。


「保護ビュー」とは何か

まずは前提として、「保護ビュー」とは何かを簡単に確認します。

Excelの保護ビューは、
インターネットやメール添付、ネットワーク上など、「安全かどうか分からない場所」から取得したファイルを、いきなり編集させないための“安全モード”のような機能です。

  • マクロ
  • 外部リンク
  • 悪意あるコード

などからパソコンを守るため、まずは読み取り専用のモード(保護ビュー)で開き、ユーザーが「編集を有効にする」を押したときだけ、通常状態で開くようになっています。エクセレイル+1


「保護ビューでファイルを開くことができませんでした」の意味

通常であれば、危険性があると判断されたファイルは、

  • 保護ビューで開く
  • 画面上部に黄色いバーが表示され、「編集を有効にする」ボタンが出る

という挙動になります。

しかし、今回のメッセージはこうです。

保護ビューでファイルを開くことができませんでした

これは、

  • 「保護ビューで開こうとしたが、その保護ビュー自体の処理に失敗した」

という意味になります。
その結果として、以下のような挙動になることがあります。

  • ファイル自体が開けない
  • 別のエラーメッセージ(アクセス権やメモリ不足など)がセットで出る
  • そのときだけエラーになり、再度開くと何事もなかったかのように開けるMicrosoft Learn+1

どうして「出るとき」と「出ないとき」があるのか

同じようなファイルなのに、エラーが出たり出なかったりする大きな要因は、次の三つです。

1. 一時的な不具合やタイミングの問題

保護ビューで開く際、Excelは内部で一時ファイルを作成したり、ネットワーク越しのファイルを一時フォルダにコピーしたりします。
このときに、次のような要因で一時的なエラーが発生することがあります。

  • ネットワークが一瞬だけ不安定だった
  • 一時フォルダへのアクセスに失敗した
  • ウイルス対策ソフトが、その瞬間だけファイルをロックしていた

この場合、

1回目のオープン時だけ「保護ビューでファイルを開くことができませんでした」となり、
2回目以降は問題なく開ける、という現象が起きます。

2. 「安全なファイル」として扱われるようになった

インターネットからダウンロードしたファイルや、メール添付のExcelファイルには、Windows側で「外部から取得したファイル」というマークが付けられます。

しかし、以下のような操作を行うと、「このファイルは安全」とみなされることがあります。

  • 保護ビューで開いた後、「編集を有効にする」を押して上書き保存した
  • エクスプローラーでファイルを右クリックし、「プロパティ」→「ブロックの解除(許可する)」にチェックを入れた

その結果、同じファイルを次回以降開いたときには、保護ビューにならず、そのまま通常モードで開くことがあります。テイクユアタイム+1

「前はエラーが出たのに、今は出ない」という場合、このパターンに当てはまることが多いです。

3. Excelやアドインの起動状態の違い

PC起動直後や、Excelを立ち上げた直後など、内部モジュールやアドインがまだ完全に読み込まれていないタイミングでファイルを開くと、
保護ビュー関連の処理だけが失敗してしまう場合があります。

しばらく時間が経ってから同じファイルを開いたときには、環境が安定しているため、今度は正常に開ける、というケースです。


「保護ビュー」を設定でコントロールする方法

ここからは、実際に保護ビューを「減らす」「発生場所を限定する」ための設定方法をご紹介します。

1. Excel全体の「保護ビュー」設定を見直す

まず、Excelのトラストセンターから、保護ビューの条件を調整できます。

手順(Microsoft 365 / Excel デスクトップ版の例)

  1. Excelを起動する
  2. 左上の「ファイル」タブをクリック
  3. 左メニューの一番下あたりにある「オプション」をクリック
  4. 左の一覧から「トラストセンター」を選択
  5. 右側の「トラストセンターの設定」ボタンをクリック
  6. 左メニューから「保護ビュー」を選択

ここに、次のようなチェックボックスがあります。

  • インターネットから取得したファイルに対して、保護ビューを有効にする
  • 安全でない可能性がある場所のファイルに対して、保護ビューを有効にする
  • Outlook の添付ファイルに対して、保護ビューを有効にする

これらのチェックを外すと、その条件では保護ビューが出なくなります。Wondershare Recoverit+1

ただし、すべてのチェックを外すと、インターネットやメール経由のExcelファイルもいきなり通常モードで開いてしまいます。
業務PCなどではセキュリティリスクが高くなるため、以下のように“部分的に緩める”運用が現実的です。

  • 社内ネットワーク内のファイルが中心であれば、「インターネットから取得したファイル」に対する保護ビューだけ残す
  • メール添付は自分で内容や送信元をきちんと確認している運用であれば、「Outlookの添付ファイル」のチェックを外す

など、実際の使い方に合わせて調整するとよいと思います。


2. 特定のフォルダを「信頼できる場所」に登録する

社内の共有フォルダや、自分の作業用フォルダに保存しているファイルで、毎回保護ビューになるのが煩わしい場合は、そのフォルダを「信頼できる場所」として登録する方法があります。

手順(Excel)

  1. Excelを起動する
  2. 「ファイル」→「オプション」を開く
  3. 左側から「トラストセンター」→「トラストセンターの設定」をクリック
  4. 「信頼できる場所」を選択
  5. 「新しい場所の追加」をクリック
  6. 「参照」ボタンから、よく使うフォルダを指定
  7. 必要に応じて「この場所のサブフォルダーも信頼する」にチェック
  8. 「OK」で閉じる

このフォルダ配下にあるファイルは、原則として保護ビューにならずに開くようになります。エクセルドクター+1

社内で安全に管理されている共有フォルダや、自分専用の作業フォルダなど、信頼できる場所だけを登録することが重要です。


3. 特定のファイルだけ「ブロック解除」する

インターネットからダウンロードしたファイルや、メール添付で受け取ったExcelファイルなどは、Windows側で「外部から取得したファイル」としてマークされています。

そのファイルが安全であると判断できる場合は、次の手順で“ブロック解除”することで、以後は保護ビューになりにくくなります。

  1. ファイルを右クリック
  2. 「プロパティ」をクリック
  3. 「全般」タブの下部に、「セキュリティ」欄が表示されている場合がある
  4. 「許可する」あるいは「ブロックの解除」にチェックがある場合、それをオンにする
  5. 「OK」で閉じる

この設定を行ったファイルは、次回から保護ビューの対象外として扱われることが多いです。テイクユアタイム+1


どこまで保護ビューを無効にしてよいか

実務上は、「全部切れば楽だが、セキュリティが心配」というジレンマがあります。

目安としては、次のような考え方が現実的です。

  • 社内で自分たちが作成・管理しているファイル
    → 保存されているフォルダを「信頼できる場所」に登録し、保護ビューを極力出さない
  • 外部から届いたファイル(取引先のメール添付、WebからダウンロードしたExcelなど)
    → 原則として保護ビューを残し、内容や送信元を確認したうえで「編集を有効にする」または「ブロック解除」を行う

完全に保護ビューを無効化すると、マルウェア付きファイルをそのまま開いてしまうリスクがあります。
特に業務用PCや、重要なデータを扱う環境では、「信頼できる場所」の活用や、ファイルごとのブロック解除など、段階的な緩和にとどめる方が安全です。Wondershare Recoverit+1


まとめ

本記事では、Excelで表示される

「保護ビューでファイルを開くことができませんでした」

というメッセージについて、

  • 保護ビューとは何か
  • なぜ出たり出なかったりするのか
  • 設定や保存場所を工夫して、不要な保護ビューを減らす方法

を整理してご紹介しました。

ポイントを改めてまとめると、次の通りです。

  • 「保護ビューでファイルを開くことができませんでした」は、保護ビューで開こうとした処理自体が失敗している状態
  • 一時的なネットワークや一時ファイルの不具合、Excelの起動状態、ウイルス対策ソフトの介入などで、一度だけ発生し、その後は普通に開けることも多い
  • Excelの「トラストセンター」から、保護ビューの条件や「信頼できる場所」を設定することで、警告が出る場面をある程度コントロールできる
  • Windowsの「ブロックの解除」を使えば、特定のファイルだけ保護ビューの対象外にできる
  • ただし、保護ビューを完全に無効化すると、ウイルス感染などのリスクが高まるため、「信頼できる場所」や「ブロック解除」を組み合わせた運用が現実的

「意味もなく毎回警告が出る」状況は、設定の見直しやフォルダの整理だけでもかなり改善できます。
一方で、外部から受け取ったファイルについては、あえて保護ビューを残し、“最初に必ずワンクッション置く”ことで、セキュリティと作業効率のバランスを取ることが重要です。

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この記事を書いた人

私が勉強したこと、実践したこと、してることを書いているブログです。
主に資産運用について書いていたのですが、
最近はプログラミングに興味があるので、今はそればっかりです。

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