Pythonでプログラミングを行う際、変数の内容を確認したり、処理の経過をコンソール(ターミナル)に表示したりするために、最も頻繁に使用されるのが print() 関数です。
print() 関数は、引数として渡されたオブジェクト(文字列、数値、リストなど)を標準出力(通常は画面)に出力します。この記事では、print() 関数の基本的な使い方から、書式を整えて出力する方法までを解説します。
print() 関数の基本的な使い方
print() 関数の最も単純な使い方は、文字列や数値を直接引数に渡すことです。
# 文字列の出力
print("システムの起動準備ができました。")
# 数値の出力
print(2024)
変数の内容を出力する
変数に格納された値を出力することもできます。
system_status = "正常"
error_count = 0
print(system_status)
print(error_count)
複数の値を同時に出力する
print() 関数にカンマ(,)区切りで複数の値を渡すと、それらはデフォルトで半角スペースで区切られて出力されます。
user_id = "U-005"
permission_level = "Guest"
login_time = "2025-11-06 17:30"
# 複数の変数を一度に出力
print(user_id, permission_level, login_time)
実行結果:
U-005 Guest 2025-11-06 17:30
f-stringによる書式設定(推奨)
複数の変数を組み合わせて「ユーザーID: U-005, 権限: Guest」のように整形して出力したい場合、**f-string(書式化文字列リテラル)**を使用するのが一般的です。
f-stringは、文字列の開始クォーテーション(" や ')の直前に f を置き、出力したい変数を {}(波括弧)で囲みます。
# f-string を使用した例
print(f"ユーザーID: {user_id}, 権限: {permission_level}")
# 実行結果:
# ユーザーID: U-005, 権限: Guest
f-stringの {} 内では、簡単な計算やメソッドの呼び出しも可能です。
item = "Laptop"
price = 1200
tax_rate = 0.1
# {} 内で計算
print(f"商品: {item}, 税込価格: {price * (1 + tax_rate)}")
# {} 内でメソッド呼び出し
print(f"商品名(大文字): {item.upper()}")
実行結果:
商品: Laptop, 税込価格: 1320.0
商品名(大文字): LAPTOP
print() のオプション引数
print() 関数には、出力形式を細かく制御するためのオプション引数があります。ここでは代表的な2つを紹介します。
sep (区切り文字の指定)
前述の通り、複数の値を渡した場合のデフォルトの区切り文字はスペースです。sep 引数を使用することで、この区切り文字を任意のものに変更できます。
CSV(カンマ区切り)形式で出力したい場合などに便利です。
record = ["20251106", "SensorA", 35.8]
# デフォルト(スペース区切り)
print(record[0], record[1], record[2])
# sep=',' を指定(カンマ区切り)
print(record[0], record[1], record[2], sep=",")
実行結果:
20251106 SensorA 35.8
20251106,SensorA,35.8
end (終端文字の指定)
print() 関数は、デフォルトで出力の最後に改行(\n)を追加します。そのため、print() を2回呼び出すと、結果は2行に分かれます。
この改行を無効にしたり、別の文字に変更したりしたい場合は end 引数を指定します。
# デフォルトでは改行される
print("処理中...")
print("完了。")
print("----------")
# end="" を指定して改行を抑制する
print("処理中...", end="")
print("完了。")
実行結果:
処理中...
完了。
----------
処理中...完了。
まとめ
print() 関数は、プログラムの動作確認(デバッグ)や実行結果の表示に不可欠な機能です。
- 単純な値や変数の内容を表示できます。
- 複数の値をカンマで区切って渡せます。
f-string(f"{variable}") を使うと、変数を埋め込んだ整形された文字列を簡単に出力できます。sep引数で区切り文字を、end引数で終端文字を制御できます。
これらの使い方をマスターし、状況に応じて適切な出力形式を選択してください。
