Final Cut Pro(FCP)のライブラリが数百GBに膨れ上がり、ストレージを圧迫してお困りではありませんか?
この記事では、編集プロジェクトやイベントを削除しても軽くならない巨大なライブラリの容量を、安全かつ劇的に削減する最も簡単な手順を最初に紹介します。
私自身、この手順を実行したことで、664.65GBあったライブラリが109.04GBになりました。先に結論(手順)を知りたい方のために、早速その方法から解説します。
【最速】ライブラリ容量を削減する具体的な手順
操作はすべてFinal Cut Proのメニューから完結します。
- まず、Final Cut Proを起動し、容量を削減したいライブラリをブラウザ(画面左上)でライブラリ本体を選択します。(※個別のイベントやプロジェクトではありません)
- FCPのメニューバーから「ファイル」をクリックします。
- 表示されたメニューから「生成されたライブラリファイルを削除…」を選択します。
- 小さなウィンドウが表示されます。ここで、以下の3つすべてにチェックを入れてください。
- レンダーファイルを削除
- 最適化メディアを削除
- プロキシメディアを削除
- 「OK」をクリックして実行します。
これだけで、不要なキャッシュファイルが一掃されます。
※削除しても安全な理由
「削除」と聞くと不安に思われるかもしれませんが、これら3つのファイル(レンダー、最適化、プロキシ)は、削除しても全く問題ありません。
これらはすべて、編集作業をスムーズにするためにFCPが自動生成した「中間ファイル(キャッシュ)」です。元の動画素材(Original Media)や、編集データ(プロジェクト)は一切失われません。
もし削除後にそのプロジェクトを再度編集する必要が生じても、FCPが必要に応じて自動的に再生成してくれますので、安心ください。
【実録】なぜこの手順が必要だったのか?(664GB→109GBの経緯)
ここからは、私がこの手順を実行するに至った経緯と、その結果を報告します。
動画を作成して、動画をエクスポートしようとしたところ全然うまくいかなくて、ストレージの空き容量を確認したところ、一つのFinal Cut Proライブラリが 664.65GB という驚異的なサイズにまで膨れ上がっていることに気づきました。
すでに編集は完了しており、不要になったイベントやプロジェクトをライブラリ内から削除してみたのですが、ライブラリのファイルサイズ(GB)は全く減りませんでした。
「中身を消したのに、なぜ容量が減らないのか?」と調べていたところ、先にご紹介した「生成されたライブラリファイルを削除」の機能にたどり着きました。
半信半疑で実行してみたところ、結果は劇的でした。
- 実行前: 664.65 GB
- 実行後: 109.04 GB
差し引き 555.61 GB もの容量が、わずか数クリックでストレージに戻ってきたのです。
イベント削除で容量が減らない根本的な原因
なぜ、プロジェクトやイベントを削除しただけでは容量が減らなかったのでしょうか。
それは、Final Cut Proのライブラリが肥大化する主な原因が、元の動画素材よりも、編集過程で自動生成される以下の中間ファイルにあるからです。
- レンダーファイル (Render Files)
- エフェクトやカラコレなどをスムーズに再生するために事前に計算されたデータ。編集のたびに蓄積されます。
- 最適化メディア (Optimized Media)
- 編集しやすいProRes形式などに変換されたデータ。元の素材の数倍のサイズになることもあります。
- プロキシメディア (Proxy Media)
- 編集用の低解像度データ。
これらのファイルは、関連するプロジェクトを削除しても、ライブラリ内に「ゴミ」として残り続けてしまうケースが多いのです。
今回の私の場合、555GB以上がこの「不要になった中間ファイル」だった、ということになります。
まとめ:編集が一区切りついたら「生成ファイルの削除」を
Final Cut Proのライブラリが、イベントやプロジェクトを削除しても軽くならずにお困りの場合は、まず「ファイル」メニューから「生成されたライブラリファイルを削除」を試してみてください。
特に、以下のような場合に絶大な効果を発揮します。
- 編集が完了し、納品も済んだプロジェクト
- 長期間にわたって編集を重ね、レンダーファイルが蓄積したライブラリ
- 「最適化メディア」を作成する設定で運用していたライブラリ
高価なストレージを買い増しする前に、ぜひ一度、この簡単かつ安全なメンテナンス方法で、大切なストレージの空き容量を取り戻してみてはいかがでしょうか。
