Googleスプレッドシートでデータの集計を行う際、「平均値(AVERAGE)」はよく使われますが、「中央値(MEDIAN)」の求め方が分からず困った経験はありませんか?
中央値は、データを大きさの順に並べたときに、ちょうど中央に位置する値のことを指します。外れ値(極端に大きい値や小さい値)の影響を受けにくいため、データ全体の実態を把握するのに役立ちます。
この記事では、Googleスプレッドシートで中央値を簡単に計算できる「MEDIAN」関数の使い方を、具体例を交えて分かりやすく解説します。
MEDIAN関数とは?
MEDIAN(メディアン)関数は、指定した数値のリストやセル範囲の中央値を返す関数です。
- データの個数が奇数の場合:データを並べ替えたときに、ちょうど真ん中に位置する値が返されます。
- データの個数が偶数の場合:データを並べ替えたときに、中央に位置する2つの数値の平均値が返されます。
MEDIAN関数の構文
MEDIAN関数の基本的な書き方は以下の通りです。
=MEDIAN(値1, [値2, ...])
値1(必須): 中央値を計算したい最初の数値、またはセル範囲(例:A1:A10)を指定します。[値2, ...](任意): 計算に含めたい追加の数値やセル範囲を指定できます。
MEDIAN関数の具体的な使用例
ここでは、実際のデータを使ってMEDIAN関数の使い方を見ていきましょう。
例1:データが奇数個の場合
A1からA5セルに以下のようなデータ(5個)があるとします。
| A | |
| 1 | 10 |
| 2 | 5 |
| 3 | 25 |
| 4 | 15 |
| 5 | 20 |
このデータ(5, 10, 15, 20, 25)の中央値を求めるには、任意のセルに以下の数式を入力します。
=MEDIAN(A1:A5)
結果:
15 が返されます。
例2:データが偶数個の場合
A1からA6セルに以下のようなデータ(6個)があるとします。
| A | |
| 1 | 10 |
| 2 | 5 |
| 3 | 25 |
| 4 | 15 |
| 5 | 20 |
| 6 | 30 |
このデータ(5, 10, 15, 20, 25, 30)の中央値を求めます。データが偶数個なので、中央にある2つの値(15と20)の平均が中央値となります。
=MEDIAN(A1:A6)
結果:
(15 + 20) / 2 が計算され、 17.5 が返されます。
例3:直接数値を指定する場合
セル範囲ではなく、直接数値を入力して中央値を求めることも可能です。
=MEDIAN(1, 2, 3, 4, 5)
結果:
3 が返されます。
補足:関連する統計関数
中央値と合わせて覚えておくと便利な、基本的な統計関数をご紹介します。
- AVERAGE (平均値):指定したすべての数値の算術平均を返します。最も一般的に使われる代表値です。=AVERAGE(A1:A10)
- MODE (最頻値):指定したデータの中で、最も出現回数が多い値(モード)を返します。=MODE(A1:A10)
- QUARTILE (四分位数):データを4等分したときの区切り値を返します。中央値(第2四分位数)もこの関数で求められます。=QUARTILE(A1:A10, 2) と入力すると、=MEDIAN(A1:A10) と同じ結果が返されます。
まとめ
GoogleスプレッドシートのMEDIAN関数を使えば、手計算では少し面倒な中央値も瞬時に算出できます。
平均値だけでは読み取れないデータの特徴を把握するために、中央値を活用する場面は多くあります。データ分析や資料作成の際に、ぜひこのMEDIAN関数をご活用ください。
