X(旧Twitter)を運用していると、ある日突然「ご利用のアカウントには、リーチに影響を与える可能性がある仮ラベルが追加されました」といった主旨の通知が表示されることがあります。
この通知は、アカウントの運用者にとって非常に不安になるものです。具体的にどのような影響があり、なぜこのような通知が届き、どう対処すればよいのでしょうか。
本記事では、この「仮ラベル」通知の意味と、考えられる原因、そして即座に取るべき対処法について詳しく解説します。
「仮ラベル」通知が意味すること
この通知は、X(旧Twitter)のシステムが、対象のアカウントの行動や投稿内容を内部的に審査した結果、「何らかの問題がある可能性がある」と判断し、一時的なラベルを付与したことを意味します。
このラベルが付与されると、アカウントの「可視性」、すなわち他のユーザーへの表示頻度が意図的に制限される可能性があります。
具体的にどのような影響があるか
「仮ラベル」が付与されると、以下のような影響が出ると考えられています。
- リーチ(露出)の低下: 投稿がフォロワーの「おすすめ」タイムラインや検索結果に表示されにくくなります。
- 返信の順位低下: 他の投稿への返信(リプライ)が、他のユーザーから見えにくい位置に表示されることがあります。
- 発見性の低下: アカウント自体が検索などで見つかりにくくなる可能性があります。
これらは、俗に「シャドウバン」と呼ばれる状態に近い制限であり、アカウントの成長や情報発信において大きな障害となり得ます。
仮ラベルが付与される主な原因
Xの公式ヘルプでは、規約違反、スパム行為、低品質なコンテンツ、あるいはプラットフォーム側のテスト運用など、様々な理由で投稿やアカウントの可視性を制限する場合があると説明されています。
一般的に、以下のような行為が原因となり得ると推測されています。
- 短時間での大量の「いいね」、フォロー、アンフォロー。
- 同一内容のツイートの繰り返し投稿(連投)。
- 外部リンク(URL)ばかりを投稿する行為。
- センシティブなメディア(画像・動画)を、適切な警告設定なしに投稿する行為。
- 規約違反、またはAIによって低品質と判定されるコンテンツの投稿。
筆者の場合:自動化プログラム(ボット)の運用
本記事の筆者の場合、この仮ラベルが付与された原因は明確でした。それは「自作の自動化プログラム(ボット)を運用していたこと」です。
Xは、プラットフォームの健全性を保つため、APIを利用した自動化に対して厳格なルールを設けています。
筆者が作成したボットは、特定の情報を自動で投稿するものでしたが、その実行頻度や動作が、Xのシステムによって「スパム的」または「非人間的」な挙動と判定されてしまったものと考えられます。
良かれと思って作成したプログラムであっても、それが結果として規約に抵触したり、他のユーザー体験を損ねる可能性のある「過度な自動化」と見なされれば、このような制限の対象となります。この点については、深く反省しております。
すぐに取るべき対処法
もし「仮ラベル」の通知が届いた場合、パニックにならず、まずは冷静に以下の対処法を実行してください。
1. アカウントの運用方法を即時見直す
最も重要なのは、原因となった可能性のある行動を停止することです。
- 自動化の停止・見直し: 筆者のようにボットや自動化ツールを使用している場合、まずはその動作を完全に停止してください。その後、Xの「自動化ルール」や「開発者ポリシー」を再確認し、APIの実行間隔を空ける、投稿内容を多様化するなど、人間による自然な運用に近い形に修正します。
- 過度なアクションの停止: 短時間での大量の「いいね」、フォロー、連投などを自覚している場合は、それらの行為を直ちに控えてください。
2. 連携しているアプリを精査する
意図せず不審な動作をしているサードパーティ製アプリが原因である可能性もあります。
- Xの「設定」を開きます。
- 「セキュリティとアカウントアクセス」内の「アプリとセッション」を選択します。
- 「連携しているアプリ」の一覧を確認し、身に覚えのないアプリや、現在使用していない不要なアプリがあれば、アクセス許可を取り消してください。
3. アカウントの健全性を高める
基本的なことですが、アカウント情報が不十分であると、スパムアカウントと誤解されやすくなる可能性があります。
- プロフィール画像
- ヘッダー画像
- 自己紹介文
- 所在地
これらの情報が未設定の場合は、適切に設定し、信頼性のあるアカウントであることを示してください。
4. (必要な場合)センシティブな設定を確認する
画像や動画を投稿する際、センシティブな内容を含む場合は、必ず投稿時に「センシティブな内容を含むものとして設定」するよう徹底してください。
5. 異議申し立て(アピール)を行う
上記すべての対処法を試み、運用を改善したにもかかわらず制限が解除されない場合、Xのヘルプセンターを通じて異議申し立て(アピール)を行うことができます。
制限が不当であると考える理由や、どのように運用を改善したかを具体的に説明し、審査をリクエストしてください。
補足:よくある疑問
Q. ラベルはいつ解除されますか?
A. 解除までの期間について、Xから公式な発表はありません。 原因となった行動を停止・改善すれば、数日〜1週間程度で自動的に解除されたという報告もあれば、それ以上かかるケースもあります。まずは運用改善に努めることが先決です。
Q. 「X Premium(旧Twitter Blue)」に加入すれば解除されますか?
A. プレミアムへの加入と、この仮ラベルの解除は直接関係ありません。 仮ラベルはあくまでアカウントの「運用」や「ポリシー準拠」の問題であるため、加入によって即座に解決することは保証されません。
まとめ
X(旧Twitter)から「リーチに影響を与える可能性がある仮ラベル」の通知が届いた場合、それはアカウントの運用方法を見直すための重要な警告です。
特に自動化プログラム(ボット)を運用している場合は、それが規約に準拠しているか、他の利用者に不快感を与えていないか、細心の注意を払う必要があります。
筆者の反省も踏まえ、この通知を受け取った方は、本記事を参考に自身のアカウント運用を丁寧に見直し、健全な状態に戻す努力をしていただければ幸いです。