PHPプログラミング学習の第一歩、それは「変数」を理解することです。変数は、プログラムの中でデータを扱ったり、計算したり、文字を組み合わせたりするための、非常に重要な基礎となります。
この記事では、「変数って一体何?」「どうやって使うの?」という初心者の方の疑問に答えながら、PHPでの変数の使い方をサンプルコードと共に分かりやすく解説していきます。
1. まずは画面に文字を出力してみよう
変数について学ぶ前に、まずはPHPで画面に文字を表示する基本的な方法を確認しましょう。これにはecho
(エコー)という命令を使います。
<?php
// "こんにちは、世界!" という文字列を画面に出力します。
echo "こんにちは、世界!";
このPHPファイルをブラウザで開くと、こんにちは、世界!
と表示されます。このように、echo
の後にダブルクォーテーション"
で囲んだ文字を書くと、それが画面に出力される、というシンプルな仕組みです。
補足:
echo
とよく似た命令にecho
の方がわずかに処理が速く、広く使われています。まずはecho
を覚えておけば問題ありません。
2. 変数とは?データを入れておく「箱」のこと
それでは、本題の「変数」について見ていきましょう。
変数とは、一言でいうと「データを入れておくための、名前をつけた箱」のようなものです。
プログラムでは、文字列や数値といった様々なデータを扱います。これらのデータを一時的にコンピュータのメモリ内に保存しておき、後で使いたいときに名前で呼び出せるようにする仕組みが変数です。毎回同じデータを直接書く必要がなくなり、コードがとても管理しやすくなります。
3. 変数の使い方【基本の3ステップ】
変数の使い方はとても簡単です。ここでは3つの基本的なステップに分けて解説します。
ステップ1:変数を作ってデータを入れる(宣言と代入)
PHPでは、変数名は必ずドルマーク$
から始めます。そして、=
(イコール)を使って箱の中にデータ(値)を入れます。このデータを入れる操作を「代入」と呼びます。
<?php
// $user_name という名前の変数(箱)を用意し、「田中」という文字列を代入する
$user_name = "田中";
// 変数の中身を出力する
echo $user_name;
このコードを実行すると、田中
と表示されます。echo $user_name;
は、「$user_name
という箱の中身を出力してください」という意味になります。
ステップ2:変数の中身を入れ替える(再代入)
変数の便利なところは、一度データを入れた後でも、中身を自由に入れ替えられる点です。新しいデータを代入すると、古いデータは上書きされます。
<?php
// 最初に「田中」さんを代入
$user_name = "田中";
echo $user_name; // ここでは「田中」と表示される
echo "<br>"; // ブラウザで改行するためのHTMLタグです
// 次に「山本」さんを代入(データが上書きされる)
$user_name = "山本";
echo $user_name; // ここでは「山本」と表示される
ステップ3:変数と文字列を繋げる(連結)
変数に入れたデータと、別の文字列を繋げて表示したい場面はよくあります。例えば、「(ユーザー名)さん、ようこそ!」のようなメッセージを作る場合です。
PHPでは、ドット.
を使って変数と文字列を繋げることができます。これを「連結」と呼びます。
<?php
$user_name = "田中";
// 方法1: ドット(.)で連結する
echo $user_name . "さん、ようこそ!";
このコードを実行すると、田中さん、ようこそ!
と表示されます。
もっと簡単な書き方(変数展開)
文字列をダブルクォーテーション"
で囲んでいる場合に限り、もっと直感的な書き方ができます。文字列の中に{$変数名}
の形で書くと、その部分が自動的に変数の値に置き換えられます。
<?php
$user_name = "田中";
// 方法2: ダブルクォーテーションの中で変数を展開する
echo "{$user_name}さん、ようこそ!";
こちらの書き方の方が見やすく、コードがスッキリするのでおすすめです。
まとめ
今回は、PHPの基本である「変数」について学びました。
【ポイントの振り返り】
- 変数は、データを入れておくための「名前付きの箱」。
- 変数名は
$
から始める。 =
を使って変数に値を「代入」する。- 変数の中身は後から上書き(再代入)できる。
- ドット
.
や変数展開{}
を使って、変数と文字列を「連結」できる。
変数を使いこなすことが、動的なWebサイトを作るための第一歩です。最初は難しく感じるかもしれませんが、実際にコードを書きながら、データを入れたり、繋げたりして、その動きに慣れていきましょう!