Webサイト制作の世界に足を踏み入れると、誰もが最初に出会うのが「HTML」です。プログラミングと聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、HTMLは厳密にはプログラミング言語ではなく、比較的シンプルなルールで構成されています。
この記事では、「HTMLとは何か?」という基本から、Webページを作成するための具体的な書き方、そしてこれだけは覚えておきたい必須タグまでを、初心者の方にも分かりやすく解説します。
そもそも「HTML」とは?
HTMLは HyperText Markup Language(ハイパーテキスト・マークアップ・ランゲージ)の略で、Webページ上の文章や画像などを表示するための「マークアップ言語」です。
コンピューターのプログラムのように複雑なロジックを組むのではなく、「ここからここまでが見出しですよ」「これは段落です」「この画像を表示してください」といった**目印(タグ)をテキストに付けていき、Webページの骨格(構造)**を作っていくのが主な役割です。 今あなたが見ているこのページも、すべてHTMLによってその構造が作られています。
HTMLの基本的な考え方と構造
HTMLは、<
と>
で囲まれた「タグ」を使って、文章の各部分に意味付けを行っていきます。多くのタグは、<p>
のような開始タグと</p>
のような終了タグでワンセットになっており、その間に内容を記述するのが基本ルールです。
そして、すべてのHTMLファイルは、以下のような決まった構造を持っています。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
</head>
<body>
</body>
</html>
<!DOCTYPE html>
- この文書が、現在主流である「HTML5」というバージョンで書かれていることを宣言するおまじないです。必ず一番上に書きます。
<html>
<!DOCTYPE>
宣言の次に位置し、HTML文書全体の範囲を示す、すべての基本となるタグです。lang="ja"
は、このページが日本語で書かれていることを示します。
<head>
- ページの裏側の設定を記述する部分です。ここに書いた内容は、直接ブラウザの画面には表示されません。ページのタイトルや文字コードの指定など、重要な設定情報を含みます。
<body>
- Webページの実際に表示される内容をすべて記述する部分です。見出しや文章、画像、リンクなどは、すべてこの
<body>
タグの中に書いていきます。
- Webページの実際に表示される内容をすべて記述する部分です。見出しや文章、画像、リンクなどは、すべてこの
これだけは覚えたい!Webページ作成の必須タグ
ここでは、Webページを構成する上で最低限覚えておきたい、使用頻度の高いタグをいくつかご紹介します。
見出し:<h1>
〜 <h6>
<h1>
は「Heading(見出し)」を意味し、ページのタイトルやセクションの題名に使います。<h1>
が最も大きな見出しで、数字が大きくなるにつれて<h2>
、<h3>
…と見出しのレベルが下がっていきます。ページの構造を分かりやすくするため、またSEO(検索エンジン最適化)の観点からも非常に重要なタグです。
段落:<p>
<p>
は「Paragraph(段落)」を意味し、文章のまとまりを作る際に使います。文章をこのタグで囲むことで、テキストがひとかたまりの段落として扱われ、適切に改行されます。
リンク:<a>
<a>
は「Anchor(アンカー)」を意味し、他のページへのリンクを作成する際に使います。href
という属性を使って、リンク先のURLを指定するのが特徴です。
<a href="https://www.google.com/">Googleへのリンク</a>
表:<table>
, <tr>
, <td>
<table>
を使うと、Webページに表を作成できます。<table>
で表全体を囲み、<tr>
で行を、<td>
で各セル(マス目)を作ります。
実際にHTMLファイルを書いてみよう
それでは、ここまでの内容をまとめたサンプルコードを見てみましょう。 この内容をテキストエディタ(メモ帳など)にコピー&ペーストし、「sample.html」という名前で保存してみてください。そして、保存したファイルをダブルクリックしてブラウザで開くと、作成したWebページが表示されます。
サンプルコード:
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>私の最初のWebページ</title>
</head>
<body>
<h1>HTMLの基本を学ぼう</h1>
<p>このページは、HTMLの書き方の基本を学ぶためのサンプルです。</p>
<h2>必須タグの紹介</h2>
<p>見出しにはhタグ、段落にはpタグを使います。</p>
<h3>便利なリンク</h3>
<p>
下のリンクをクリックすると、Googleのトップページに移動します。<br>
<a href="https://www.google.com/" target="_blank">Googleで検索する</a>
</p>
<h3>簡単な表の例</h3>
<table border="1">
<tr>
<td>項目1</td>
<td>データA</td>
</tr>
<tr>
<td>項目2</td>
<td>データB</td>
</tr>
</table>
</body>
</html>
※target="_blank"
を<a>
タグに追加すると、リンクが新しいタブで開くようになります。
まとめ
今回は、Webサイト制作の基礎であるHTMLについて解説しました。
- HTMLはWebページの骨格を作るマークアップ言語
<html>
の中に<head>
と<body>
があるという基本構造- タグを使って文章に意味付けをしていく
初めは覚えることが多く感じるかもしれませんが、今回ご紹介した必須タグだけでも、簡単なWebページなら十分に作成できます。まずは実際に手を動かして、あなただけのWebページを作ってみることから始めてみましょう。