目次
はじめに
C++で「2の8乗」や「3.14の2乗」といった、数値の**累乗(べき乗)**を計算したい場合、for
ループで地道に掛け算を繰り返す必要はありません。
標準ライブラリの <cmath>
(C言語では <math.h>
) ヘッダーには、このための std::pow
という便利な関数が用意されています。
この記事では、pow
関数の基本的な使い方を、正の指数、ゼロの指数、負の指数のそれぞれのパターンで解説します。
pow
を使ったサンプルコード
このコードは、pow
関数を使って、いくつかの異なるパターンの累乗計算を行い、その結果を出力します。
完成コード
#include <iostream>
#include <cmath> // pow 関数を使うために必要
using namespace std;
int main() {
// 1. 正の整数の指数: 3.0 の 4.0 乗を計算 (3^4 = 81)
double result1 = pow(3.0, 4.0);
cout << "3.0 の 4.0乗: " << result1 << endl;
// 2. ゼロの指数: 5.0 の 0.0 乗を計算 (5^0 = 1)
double result2 = pow(5.0, 0.0);
cout << "5.0 の 0.0乗: " << result2 << endl;
// 3. 負の小数の指数: 16.0 の -0.5 乗を計算 (16^-0.5 = 1/√16 = 1/4 = 0.25)
double result3 = pow(16.0, -0.5);
cout << "16.0 の -0.5乗: " << result3 << endl;
return 0;
}
実行結果
3.0 の 4.0乗: 81
5.0 の 0.0乗: 1
16.0 の -0.5乗: 0.25
コードの解説
pow(base, exponent)
pow
(power: べき乗) 関数は、2つの引数を取ります。
pow(基数, 指数)
- 第1引数 (
base
): 基数(累乗される数)。 - 第2引数 (
exponent
): 指数(何乗するかを示す数)。
この関数は、基数
の 指数
乗 (baseexponent) の値を、通常はdouble
型で返します。引数には、整数のリテラル値(例: 3
)を渡すこともできますが、それらは自動的にdouble
型に変換されます。
まとめ
今回は、C++の<cmath>
ライブラリを使って、累乗を計算するstd::pow
関数を解説しました。
<cmath>
ヘッダーをインクルードする。pow(基数, 指数)
の形で呼び出す。
この関数一つで、2乗や3乗はもちろん、負の指数や小数の指数といった、より複雑な累乗計算も簡単に行うことができます。