【VBA】Collectionオブジェクトの使い方入門!可変リストを手軽に扱う

目次

はじめに

VBAで複数のデータを扱う際、配列は非常に便利ですが、「処理の途中で要素の数を変えたい」場合には、動的配列と ReDim Preserve を使う必要があり、少し手間がかかります。

もっと手軽に、要素の追加や削除を自由に行いたい場合に最適なのが「Collection」オブジェクトです。Collectionは、可変長のリストを管理するためのVBAの組み込みオブジェクトで、まるで買い物かごに商品を入れたり出したりするように、直感的にデータを扱うことができます。

この記事では、Collectionの基本的な使い方(作成、追加、削除、参照)を、具体的なサンプルコードと共に解説します。


Collectionオブジェクトの基本的な使い方

このマクロは、Collectionオブジェクトを作成し、いくつかの項目を追加した後、一つを削除し、最終的なリストの内容をセルに書き出します。

完成コード

' Collectionオブジェクトの基本的な使い方
Sub BasicCollectionExample()
    
    '--- 1. Collectionオブジェクトの作成 ---
    Dim itemList As Collection
    Set itemList = New Collection
    
    '--- 2. .Addメソッドで項目を追加 ---
    itemList.Add "ノートPC"
    itemList.Add "キーボード"
    itemList.Add "マウス"
    itemList.Add "モニター"
    
    '--- 3. .Countプロパティで項目数を取得 ---
    Debug.Print "追加後の項目数: " & itemList.Count ' -> 4
    
    '--- 4. .Removeメソッドで項目を削除 ---
    ' インデックス番号(1始まり)で3番目の「マウス」を削除
    itemList.Remove 3
    
    Debug.Print "削除後の項目数: " & itemList.Count ' -> 3

    '--- 5. ループで全項目を参照し、セルに書き出す ---
    Dim i As Long
    For i = 1 To itemList.Count
        ' .Item(i) または itemList(i) で各項目にアクセス
        Worksheets("Sheet1").Range("B2").Offset(i - 1, 0).Value = itemList(i)
    Next i

End Sub

コードの解説

1. Collectionの作成

Set itemList = New Collection Collectionはオブジェクトなので、Dimで宣言した後、SetNewキーワードを使って新しいインスタンス(実体)を作成する必要があります。

2. 項目の追加 (.Add)

itemList.Add "ノートPC" .Add メソッドを使って、Collectionに項目を追加します。追加された項目には、自動的に 1 から始まるインデックス番号が割り振られます。

3. 項目数の取得 (.Count)

itemList.Count .Count プロパティは、Collectionに現在含まれている項目の総数を返します。読み取り専用です。

4. 項目の削除 (.Remove)

itemList.Remove 3 .Remove メソッドは、指定したインデックス番号(1始まり)の項目を削除します。項目が削除されると、それ以降の項目のインデックスは自動的に前に詰められます。

5. 項目の参照 (.Item または ())

itemList(i) Collectionの各項目には、.Item(インデックス番号) または (インデックス番号) でアクセスできます。インデックスは 1始まりです。For i = 1 To itemList.Count のように、1 から .Count までループさせるのが定石です。


配列との違い

Collectionは配列とよく似ていますが、以下のような違いがあります。

項目Collection配列 (Array)
サイズ変更不要(自動で伸縮)ReDim Preserve が必要
要素の型Variant のみ(何でも入る)宣言時に指定可能
インデックス1始まり(固定)0始まり/1始まりなど自由に設定可
キーの設定可能 (Add Item, Key)不可

まとめ

今回は、VBAの Collectionオブジェクトを使って、柔軟なリストを扱う方法を解説しました。

  • New Collection で作成する。
  • .Add で項目を追加し、.Remove で削除する。
  • .Count で項目数を取得し、(インデックス) で項目にアクセスする。
  • インデックスは常に 1 始まり

要素の数が事前に分からない場合や、処理の途中で頻繁に追加・削除が発生するような場面では、配列よりも Collection を使う方が、コードがシンプルになり、はるかに便利です。

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この記事を書いた人

私が勉強したこと、実践したこと、してることを書いているブログです。
主に資産運用について書いていたのですが、
最近はプログラミングに興味があるので、今はそればっかりです。

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