C++では、関数に引数を渡すだけでなく、処理結果を戻り値として呼び出し元に返すことができます。これにより、関数内で計算や判定を行い、その結果を使って次の処理へとつなげることが可能になります。
本記事では、「2つの金額を合計して返す関数」の例を用いて、戻り値の基本的な使い方と仕組みをわかりやすく解説いたします。
目次
サンプルコード:戻り値を使って合計を返す関数
#include <iostream>
using namespace std;
// 関数 calculateTotal の定義(2つの金額を合計して返す)
int calculateTotal(int amount1, int amount2)
{
int total;
cout << amount1 << "万円と" << amount2 << "万円のバイクを購入しました。" << endl;
total = amount1 + amount2;
return total; // 合計金額を戻り値として返す
}
int main()
{
int priceA, priceB, totalAmount;
cout << "1台目のバイクの価格を入力してください。" << endl;
cin >> priceA;
cout << "2台目のバイクの価格を入力してください。" << endl;
cin >> priceB;
totalAmount = calculateTotal(priceA, priceB);
cout << "合計金額は " << totalAmount << " 万円です。" << endl;
return 0;
}
コードの解説
関数 calculateTotal
の定義
int calculateTotal(int amount1, int amount2)
int
は整数型の戻り値を意味します。- 2つの引数を受け取り、その合計を求めた後、
return
文で返しています。 - 関数の処理が終了すると、計算結果が呼び出し元に戻ります。
戻り値を受け取る側
totalAmount = calculateTotal(priceA, priceB);
- 関数から返された値が、変数
totalAmount
に代入されます。 - その後、合計金額を画面に表示しています。
実行結果の例
1台目のバイクの価格を入力してください。
40
2台目のバイクの価格を入力してください。
55
40万円と55万円のバイクを購入しました。
合計金額は 95 万円です。
戻り値を使うメリット
項目 | 内容 |
---|---|
計算結果の再利用 | 関数の出力を別の変数に格納して後で使える |
テストしやすい | 入力に対する結果が明確に返るため確認がしやすい |
柔軟な構造設計 | 複数の処理を段階的に行う際に役立つ |
よくある注意点
- 戻り値がある関数には、必ず
return
文が必要です。 return
の型(例:int
、double
)は関数の戻り値型と一致させる必要があります。void
型の関数には戻り値は使えません(値を返さない関数)。
まとめ
- C++では、関数の戻り値を使って、処理結果を呼び出し元に返すことができます。
return
を用いて値を返し、それを受け取って後続の処理に活用できます。- 戻り値を正しく使うことで、関数の役割が明確になり、読みやすく再利用しやすいプログラムが書けるようになります。