プログラムが長くなってくると、同じ処理を何度も記述することがあります。そんなときに便利なのが「関数化」です。C++では、繰り返し使う処理を関数にまとめることで、コードの見通しが良くなり、保守性も向上します。
本記事では、関数を使って複数行の処理を整理する方法を、実際の例を通じて解説いたします。
目次
サンプルコード:処理を関数にまとめる前の例
まずは、関数を使わずに処理をそのまま書いたコードを見てみましょう。
#include <iostream>
using namespace std;
int main()
{
cout << "バイクを購入しました。" << endl;
cout << "もう一台バイクを購入します。" << endl;
cout << "バイクを整備しました。" << endl;
return 0;
}
このように書くと、似たような処理を繰り返すたびに同じ文を何度も記述する必要があり、メンテナンスが大変になります。
改善例:処理を関数にまとめる
次に、繰り返し処理を関数にまとめて呼び出すように書き直した例です。
#include <iostream>
using namespace std;
// 関数の定義
void purchaseVehicle()
{
cout << "通帳をATMに入れます。" << endl;
cout << "暗証番号を入力します。" << endl;
cout << "金額を指定します。" << endl;
cout << "現金を受け取ります。" << endl;
cout << "通帳とお金を確認します。" << endl;
cout << "バイクを購入しました。" << endl;
}
int main()
{
purchaseVehicle();
cout << "もう一台バイクを購入します。" << endl;
purchaseVehicle();
return 0;
}
コードの解説
purchaseVehicle()
という関数を定義し、購入手続きの一連の処理をひとまとめにしています。main()
関数の中で、関数を2回呼び出すことで、同じ処理を簡潔に繰り返すことができます。- 関数を使うことで、処理の流れが明確になり、変更や再利用も容易になります。
関数に処理をまとめるメリット
項目 | 内容 |
---|---|
再利用性 | 同じ処理を何度でも簡単に使い回せる |
可読性向上 | コードがすっきり整理されて理解しやすくなる |
保守性の向上 | 修正箇所が関数内だけで済むため、管理が楽になる |
よくあるミスと注意点
- 関数の定義をmain関数の後に書く場合、事前に関数プロトタイプ(宣言)が必要です。
- 呼び出し側の関数名・引数・型が定義と一致しているかを確認しましょう。
まとめ
- C++では、同じ処理を繰り返す場面で関数化することで、コードが効率的かつ見やすくなります。
- 今回の例のように、一連の手続きや出力処理を関数にまとめることで、メンテナンス性が大幅に向上します。
- 初心者の方も、関数の定義と使い方に早めに慣れておくことで、より実用的なプログラムが書けるようになります。