Excel VBA でセルの塗りつぶし色を基準にデータを抽出する方法【オートフィルター応用】

2025年8月2日2025年8月8日

概要

オートフィルターには、セルの値や数式だけでなく 塗りつぶし色（背景色） を基準に抽出を行う機能がございます。色分けされたデータを効率的に確認・修正したい場面で非常に便利です。本記事では、VBA を用いて「指定色を持つ行だけを表示する」マクロを作成し、処理後にフィルターを解除するまでの流れをわかりやすく解説いたします。

前提条件

項目	内容
対応 Excel	Microsoft 365 または 2016 以降
データ範囲	G2:J100 に見出し行を含む表が配置されている想定
マクロ設置先	標準モジュール

サンプルコード（VBA）

Sub FilterByCellColor()

    Dim srcSheet   As Worksheet
    Dim tblRange   As Range        ' フィルター対象範囲
    Dim targetCol  As Long         ' 抽出対象の RGB 値
    
    Set srcSheet  = ActiveSheet
    Set tblRange  = srcSheet.Range("G2").CurrentRegion   ' 見出し行を含む範囲を取得
    
    '--- 抽出したい色を設定（例：セル K2 の塗りつぶし色を採用）---
    targetCol = srcSheet.Range("K2").Interior.Color
    
    '--- フィルターで該当色を持つ行のみ表示 ---
    tblRange.AutoFilter _
        Field:=3, _                      ' 範囲内 3 列目を基準に抽出
        Criteria1:=targetCol, _          ' 取得した RGB 値
        Operator:=xlFilterCellColor      ' セル背景色でフィルター
    
    ' （抽出後に必要な確認・修正作業を行う）
    
    '--- フィルター解除 ---
    tblRange.AutoFilter                  ' 条件のみ解除
    If srcSheet.AutoFilterMode Then      ' 矢印ごと非表示に戻す
        srcSheet.AutoFilterMode = False
    End If

End Sub

コードの要点

行	説明
6–7	`CurrentRegion` を用いて見出し行を含む表全体を取得しております。開始セルは実データに合わせて変更可能です。
10	`Range("K2").Interior.Color` で基準となる RGB 値を取得しています。手動で色を指定する場合は `RGB(255, 255, 0)` のように直接入力しても構いません。
13–16	`Operator:=xlFilterCellColor` を指定することで、セルの塗りつぶし色を基準に抽出を行います。
21–24	`tblRange.AutoFilter`（引数なし）で抽出条件を解除し、`AutoFilterMode = False` でフィルター矢印自体を非表示に戻しています。

応用例

目的	実装のヒント
複数色を OR 条件で抽出	`Criteria1:=Array(RGB1, RGB2), Operator:=xlFilterCellColor` と配列指定を行います。
フォント色で抽出したい	`Operator:=xlFilterFontColor` に変更して同様の手順で実装できます。
色を自動判定して抽出	`Range.Find` などで事前に色を検索し、該当 RGB 値を `targetCol` に格納してから抽出を実行します。

よくある質問

質問	回答
テーブル（ListObject）形式でも利用できますか。	`tblRange` に `ListObjects("TableName").Range` を設定すれば同じ方法で抽出できます。
条件に一致する行を別シートへコピーできますか。	`tblRange.SpecialCells(xlCellTypeVisible).Copy Destination:=Worksheets("Result").Range("A1")` のように可視セルのみをコピーできます。