業務で複数のExcelファイルを運用していると、「このセルから別のブックを開けるようにしたい」と思う場面が出てきます。
本記事では、VBAを用いて、セルに他のExcelブックへのハイパーリンクを自動で挿入する方法をご紹介いたします。
目次
想定する用途と目的
- 他のブックをクリック一つで開けるようにしたい。
- リンク挿入作業を自動化して、作業時間を削減したい。
- ファイル移動にも対応できるよう、相対パスで設定したい。
VBAコードの例
以下のコードでは、セルC3に対して、現在のブックと同じフォルダにある「集計結果.xlsx」へのリンクを挿入します。
Sub InsertLinkToAnotherWorkbook()
Dim linkTargetPath As String
Dim linkCell As Range
' 相対パスでリンク先ブックのパスを指定
linkTargetPath = ThisWorkbook.Path & "\集計結果.xlsx"
' ハイパーリンクを挿入するセル
Set linkCell = ActiveSheet.Range("C3")
' ハイパーリンクの挿入
ActiveSheet.Hyperlinks.Add _
Anchor:=linkCell, _
Address:=linkTargetPath, _
TextToDisplay:="集計ファイルを開く"
End Sub
コードのポイント解説
要素 | 説明 |
---|---|
ThisWorkbook.Path | 現在のブックが保存されているフォルダのパスを取得します。 |
& "\集計結果.xlsx" | 相対パスで同一フォルダ内のブックを指定しています。 |
Hyperlinks.Add | 指定セルにハイパーリンクを追加するVBAの標準構文です。 |
絶対パスで指定したい場合は?
たとえば、明示的にファイルのフルパスを指定する場合は、次のようにします。
Address:="C:\Users\ユーザー名\Documents\集計結果.xlsx"
相対パス指定のメリット
- フォルダごと別の場所に移動してもリンク切れにならない。
- 複数の人とファイルをやり取りする際に便利。
- OneDriveや共有ドライブ上でも柔軟に対応可能。
まとめ
Excel VBAを使えば、セルに他のExcelファイルへのハイパーリンクを手軽に挿入できます。
特にThisWorkbook.Path
を使って相対パスで指定することで、リンクの保守性が高まり、チーム内での運用がしやすくなります。
大量のリンクを手動で挿入する手間や、リンク切れの心配から解放されるこの方法を、ぜひ日々の業務にお役立てください。