Raspberry Pi(ラズベリーパイ)を使って、家庭用の小型ファイルサーバーを構築する方が増えてきました。省電力で静音、しかも手のひらサイズという特徴から、常時稼働に適したデバイスとして注目されています。
今回は、Raspberry Pi に常時通電した場合、1日あたりの電気代がどれくらいになるのかを丁寧に試算し、その結果をご紹介いたします。
なぜ電気代を調べようと思ったのか?
筆者自身、Raspberry Pi を使って自宅用の簡易ファイルサーバーを構築しようとした際に、「ずっと電源を入れっぱなしにした場合、どれくらいの電気代がかかるのか?」という疑問を抱きました。
クラウドストレージと比べて安価に運用できることが魅力の一つですが、実際にかかるランニングコストも知っておくことで、より納得した上で導入ができると考えたのです。
1日あたりの消費電力量と電気代を計算
前提条件
- 使用する電源:5.1V / 5A(最大定格)
- 使用時間:24時間(常時稼働)
- 電力量料金単価:29.80円/kWh(2025年7月現在、東京電力の平均的な単価を参考)
電力量の計算式
電力量(Wh)は、以下の式で求められます。 電力(W)=電圧(V)×電流(A)=5.1V×5A=25.5W電力(W) = 電圧(V) × 電流(A) = 5.1V × 5A = 25.5W電力(W)=電圧(V)×電流(A)=5.1V×5A=25.5W 1日の電力量=25.5W×24時間=612Wh=0.612kWh1日の電力量 = 25.5W × 24時間 = 612Wh = 0.612kWh1日の電力量=25.5W×24時間=612Wh=0.612kWh
電気代の計算結果
電気代=0.612kWh×29.80円/kWh≒18.2円電気代 = 0.612kWh × 29.80円/kWh ≒ 18.2円電気代=0.612kWh×29.80円/kWh≒18.2円
つまり、1日中 Raspberry Pi を稼働させた場合の電気代は、約18円程度という結果になりました。
電源効率によって若干上下する可能性あり
ここで注意すべき点として、Raspberry Pi 本体だけでなく、ACアダプター(USB電源)などの電源効率も関係してきます。一般的な電源装置の変換効率は80%〜90%程度とされており、効率85%と仮定した場合、入力側の消費電力は以下のように上昇します。 25.5W÷0.85≒30W25.5W ÷ 0.85 ≒ 30W25.5W÷0.85≒30W
したがって、1日あたりの電力量は 0.72kWh、電気代は 約21円 となる可能性があります。
月額・年間で見た場合の電気代
最後に、長期的に使用した場合の電気料金の目安もご紹介いたします。
期間 | 電力量(kWh) | 電気代(円) |
---|---|---|
1日 | 0.612 | 約18円 |
1か月(30日) | 18.36 | 約547円 |
1年(365日) | 223.38 | 約6,655円 |
※上記は電源効率を考慮しない理論値です。実際は多少前後します。
まとめ
Raspberry Pi を使ってファイルサーバーを常時稼働させた場合、1日あたりの電気代はおよそ 18円〜21円程度 に収まると考えられます。
市販のNAS製品やクラウドストレージと比較すると、電気代というランニングコストは非常に抑えられており、手軽に始められるのが魅力です。低コスト・省電力・静音性に優れた Raspberry Pi は、自宅ファイルサーバーの入門として非常におすすめです。