パソコンを購入・買い替えする際に「CPU」や「コア数」、「メモリ」といった用語をよく目にしますが、実際にはどのような意味を持ち、どの程度の性能があればよいのか分かりづらいという方も多いのではないでしょうか。
本記事では、これらの用語をわかりやすく解説し、用途に応じた性能の基準値についてもご紹介いたします。
■ CPUとは?役割と重要性
CPU(Central Processing Unit) は、パソコンの「頭脳」にあたる部分です。
ユーザーが出した命令(文字入力、アプリの実行、画像の処理など)を、実際に計算・処理しているのがCPUです。
性能が高いCPUを搭載しているパソコンほど、処理速度が速く、動作も快適になります。
■ コア数とは?作業を同時にこなす力
CPUの内部には「コア」と呼ばれる作業単位が存在します。
これは、実際に処理を行う小さなエンジンのようなもので、コアの数が多いほど、同時に複数の作業を並行して処理する能力が高くなります。
例えば、インターネットをしながら動画を再生し、同時にExcelを操作する――といった動作がスムーズに行えるのは、十分なコア数があるからです。
■ メモリ(RAM)とは?作業机の広さのようなもの
メモリ(RAM)は、CPUが作業をする際に、一時的にデータを置いておく「作業スペース」です。
これが狭いと、一度にたくさんの作業を広げられず、パソコンが重くなる原因となります。
逆に、メモリ容量が大きいほど、同時に複数のアプリを快適に動かすことができます。
■ 性能の基準値(2025年版)
用途別に、どれくらいのCPU・コア数・メモリがあれば快適に使えるのかを、以下の表にまとめました。
用途 | 推奨コア数 | 推奨クロック(GHz) | 推奨メモリ |
---|---|---|---|
インターネット・メール・YouTube視聴 | 2〜4コア | 1.5〜2.0GHz | 4GB |
Office業務(Word、Excel) | 4コア以上 | 1.8〜2.5GHz | 8GB |
Zoom会議、リモートワーク | 4コア以上 | 2.0GHz以上 | 8GB以上 |
プログラミング(Web制作・開発) | 4〜6コア | 2.0GHz以上 | 8GB〜16GB |
写真編集(Photoshop等) | 6コア以上 | 2.5GHz以上 | 16GB以上 |
動画編集・配信 | 8コア以上 | 3.0GHz以上 | 16GB以上 |
ゲーム・3Dグラフィック | 8コア以上 | 3.0GHz以上 | 16GB以上 |
この表を参考に、自分の使い方に合ったスペックを見極めることが重要です。
■ クロック周波数とは?@1.70GHzなどの見方
CPUの性能表示でよく見る「@ 1.70GHz」などの表記は、そのCPUが1秒間に何回処理できるかを示しています。
- 1GHz = 10億回/秒の処理能力
- 1.70GHz = 17億回/秒の処理能力
この数値が大きいほど、1つの作業を速くこなす力があるということになります。
一方、「1896 MHz」などと表示されるのは、その時点で実際に動いている速度であり、状況によって上下することがあります(省電力時には下がり、負荷が高いときは「ターボブースト」によって上がることもあります)。
■ まとめ:何を基準にパソコンを選べば良いか?
- パソコンを選ぶ際は、CPUの「型番」だけでなく、
- コア数
- クロック周波数(GHz)
- メモリ容量(GB)
の3つを必ず確認することをおすすめいたします。
最新のモデルでなくても、使い方に合ったスペックであれば、十分に快適な作業が可能です。
以上が、「CPU」「コア数」「メモリ」についての基本的な解説と、実用的な性能基準となります。
ご自身の用途に合わせて、最適なパソコン選びの参考にしていただければ幸いです。