ChatGPTを日常的に利用している方なら、時々「あれ?計算が苦手?」と思った経験があるかもしれません。複雑な質問にもスラスラと答えてくれるのに、なぜか簡単な計算になると、とんでもない答えを返してしまうことがあります。この記事では、ChatGPTがなぜ計算を苦手としているのか、その理由についてわかりやすく解説します。
ChatGPTの仕組みとは?―計算が苦手な理由
ChatGPTが計算を苦手とする理由は、AIの仕組みそのものにあります。ChatGPTは「大規模言語モデル(LLM)」と呼ばれるAIモデルの一種で、膨大な量のテキストデータを学習して言葉の使われ方や意味を理解し、自然な文章を生成します。
しかし、この仕組みはあくまで「次に来る言葉」を予測しているだけで、計算のような論理的な推論や数値の正確な処理には向いていません。つまり、ChatGPTにとって「計算」は「文章を書く」こととはまったく異なる作業なのです。
新しいモデル「ChatGPT-4.5」と「ChatGPT-4o」は計算に強いのか?
最近注目されているChatGPT-4.5とChatGPT-4oですが、計算能力に違いはあるのでしょうか?
結論から言うと、残念ながらどちらも計算はあまり得意ではありません。ただし、ChatGPT-4.5のほうが比較的計算や論理における誤回答が減少していることがわかっています。これは、モデル自体の推論能力や論理的な関係性を理解する能力が高まっているためです。
しかし、あくまでも「相対的に間違えにくくなった」というレベルにすぎず、単純な足し算や掛け算でも間違うことは珍しくありません。やはり、ChatGPTにとって計算は苦手分野であることに変わりはありません。
計算が必要な場面ではどうすべきか?
では、計算が苦手なChatGPTを実用的に使う方法はあるのでしょうか?
その答えはシンプルで、ChatGPTは計算を「他の得意なツール」に任せるのが正しい使い方なのです。例えば、ChatGPTにPythonなどのプログラムコードを書かせて、そのコードを実行することで正確な計算結果を得る方法があります。
また、計算そのものはExcelやGoogleスプレッドシート、電卓などの計算に特化した外部ツールを利用し、ChatGPTはそうしたツールの使い方を教えたり、計算の方法を提案したりするサポート役に回るのが適しています。
つまり、ChatGPTは数値計算を「自分自身で解く」のではなく、「最適な解決方法を教える役割」を担うのが最も効果的な活用法です。
まとめ―ChatGPTは「文章生成」の専門家である
ChatGPTが計算を苦手としているのは、AIの基本的な仕組みが「文章予測」であり、論理的な数値処理とは根本的に異なるからです。新モデルのChatGPT-4.5で改善は見られるものの、それでも計算能力には限界があります。
計算が必要な場合には、外部ツールを併用し、ChatGPTはそれをサポートする立場で使うのがベストです。ChatGPTの強みである「文章生成」や「アイデア出し」にフォーカスし、苦手分野を理解した上で使いこなすことで、より効率的で的確なAI活用が可能になるでしょう。
AIツールは万能ではありませんが、得意不得意をうまく把握して活用することが、ChatGPTを上手に使いこなすコツなのです。