Excel VBAでユーザーフォームからグラフ範囲を動的に変更する方法【VBA】

Excel VBAでグラフの範囲を動的に変更するために、ユーザーフォームを活用してみましょう。この記事では、2つのテキストボックスを使って範囲の開始行と終了行を指定し、「更新」ボタンをクリックすることでグラフの表示範囲が変更できるようにする方法を紹介します。

1. ユーザーフォームを作成する

まず、Excel VBAで「挿入」→「ユーザーフォーム」を選択し、新しいフォームを作成します。このフォームには以下の要素を追加しましょう。

• テキストボックス 2つ（開始行と終了行を入力）
• ボタン 1つ（範囲を変更するための「更新」ボタン）

以下のようなフォームのレイアウトにしてみてください。

フォームのレイアウト

• TextBox_StartRow: 範囲の開始行を入力
• TextBox_EndRow: 範囲の終了行を入力
• CommandButton_Update: 「更新」ボタン

2. VBAコードの記述

次に、標準モジュールにVBAコードを追加します。ここでは、2つのテキストボックスに入力された値をもとに、指定されたグラフの範囲を動的に変更します。

この例では、シート名を「DataSheet」、グラフ名を「SampleChart」、データ範囲を A列 と B列 に設定しています。シート名やグラフ名を適宜変更してください。

標準モジュールに記述するコード

Sub ShowGraphUpdateForm()
    ' グラフ更新用のユーザーフォームを表示
    GraphUpdateForm.Show
End Sub

次に、フォーム側にコードを追加して、「更新」ボタンがクリックされたときにグラフの範囲が変更されるようにします。

フォームに記述するコード

Private Sub CommandButton_Update_Click()
    Dim startRow As Long
    Dim endRow As Long
    Dim chartSeries As Series

    ' テキストボックスの値を取得して数値に変換
    startRow = CLng(TextBox_StartRow.Value)
    endRow = CLng(TextBox_EndRow.Value)

    ' 開始行と終了行が適切な範囲か確認
    If startRow < 1 Or endRow < 1 Then
        MsgBox "エラー: データは1行目から始まります。", vbExclamation
        Exit Sub
    End If

    If startRow >= endRow Then
        MsgBox "エラー: 開始行が終了行以上です。正しい範囲を入力してください。", vbExclamation
        Exit Sub
    End If

    ' シート "DataSheet" にある "SampleChart" という名前のグラフを取得
    Set chartSeries = ThisWorkbook.Sheets("DataSheet").ChartObjects("SampleChart").Chart.SeriesCollection(1)

    ' 新しい範囲を設定
    chartSeries.XValues = "=DataSheet!$A$" & startRow & ":$A$" & endRow
    chartSeries.Values = "=DataSheet!$B$" & startRow & ":$B$" & endRow

    ' メッセージ表示
    MsgBox "グラフの範囲が更新されました。", vbInformation
End Sub

コードのポイント

• If startRow >= endRow により、開始行が終了行以上の数値になっていないか確認しています。範囲が不正な場合にはエラーメッセージを表示し、処理を中断します。
• chartSeries.XValues と chartSeries.Values を使って、X軸とY軸のデータ範囲を動的に設定しています。

3. ボタンを使ってフォームを表示する

シートにボタンを作成し、「マクロの割り当て」で ShowGraphUpdateForm マクロを指定します。これでボタンをクリックするとフォームが表示され、入力した行番号でグラフ範囲を更新できるようになります。

まとめ

VBAのユーザーフォームを活用することで、グラフのデータ範囲を簡単に操作できるようになります。大量のデータがある場合でも、範囲の変更が手軽に行えるため、データ分析やレポート作成の効率が上がります。VBAを使った自動化でExcelの機能をさらに拡張し、より便利に使いこなしていきましょう！

参考になれば、幸いです。

ここまで読んでいただきありがとうございました。

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