図形が消えてしまう！？
Pythonのopenpyxlライブラリを使用して、既存のExcelファイルのセルに値を入力し、別フォルダに保存するという処理を行ったところ、
保存後のExcelファイルを開いて驚きました。もともと貼り付けてあった図形（吹き出しやテキストボックスなど）が、すべて消えてしまっていたのです。
当初はshape()やdrawing()などのメソッドを試してみましたが、いずれも効果がなく、図形を維持したまま保存することはできませんでした。
結論：openpyxlは図形に対応していない
調査を進めたところ、openpyxlライブラリは現時点でExcelファイル内の図形（Shapes）や描画オブジェクト（Drawings）には対応していないということが分かりました。
そのため、ファイル内に図形が含まれている場合、それを認識・保持することができず、保存時に図形情報が失われてしまう仕様となっています。
これはバグではなく、openpyxlの仕様による制限です。
解決策の選択肢
・Pythonにこだわる場合
図形も含めてExcelの内容を正確に扱いたい場合は、openpyxlではなく以下のライブラリの使用を検討する必要があります。
xlwings：Excelを直接操作するため、図形も保持されます（ただしWindows専用、Excelのインストールが必要）。pywin32：COM経由でExcelを制御でき、こちらも図形を扱えます（同様にWindows専用です）。
・Python以外の手段を使う場合
私は最終的に、VBAでの実装に切り替えることにしました。
VBAであればExcelネイティブの機能をそのまま利用できるため、図形や書式を一切失うことなく操作が可能です。
まとめ
openpyxlは便利なライブラリではありますが、図形・描画オブジェクトの保存には対応していないという仕様があります。
そのため、既存のExcelファイルに図形が含まれている場合、openpyxlを使用してファイルを保存すると、それらのオブジェクトは失われてしまいます。
図形を保持したまま編集・保存したい場合は、xlwingsやpywin32など別のライブラリを使うか、あるいはVBAなどの他手段を検討する必要があります。
同じような状況で悩まれている方の参考になれば幸いです。
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