ROICとは?意味や計算式、ROEとの違い、中長期での企業評価に役立つ理由を解説

目次

■ ROICとは

ROIC(アール・オー・アイ・シー)とは、「Return on Invested Capital」の略で、日本語では「投下資本利益率」と訳されます。企業が事業に使用している資本に対して、どれだけ効率的に利益を生み出しているかを示す重要な指標です。経営の効率性や投資の収益性を測る尺度として、投資家やアナリストが注目するファンダメンタル指標の一つです。

■ ROICの計算式

ROICは、次のような式で計算されます。

ROIC(%)= 税引後営業利益(NOPAT) ÷ 投下資本 × 100

ここでの「税引後営業利益(NOPAT)」とは、企業の本業による利益から法人税相当分を差し引いたものです。「投下資本」とは、株主からの資金(自己資本)に加えて、有利子負債などの返済義務のある資本も含めた、実際に事業活動に使用されている資本のことです。

■ ROEとの違い

ROICとROEはどちらも収益性を測る指標ですが、基準となる資本に違いがあります。

  • ROE:株主の出資(自己資本)に対する利益率
  • ROIC:自己資本に加え、有利子負債などを含めた事業全体の資本に対する利益率

つまり、ROICの方がより広範な視点で企業の資本効率を評価できる指標であり、借入金の活用も含めた経営判断の良し悪しが問われます。

■ ROICで何がわかるか

ROICは、企業が投資家や金融機関から調達した資金を使って、どれだけ効果的に利益を生み出しているかを示します。特に、次のような点で有用です。

  • 企業が価値創造を実現できているかの判断
  • M&Aや設備投資など、大型投資の成果の評価
  • 資本コスト(WACC)との比較による健全性の分析

一般的に、企業のROICが資本コスト(WACC)を上回っている場合、その企業は「価値創造型の経営」を実現していると評価されます。

■ 例:ROICが年々上昇している企業の評価

以下は、ある企業における将来のROIC推移予測です。

  • 2024年(見込):8.1%
  • 2027年:10.5%
  • 2030年:13.2%

このようにROICが右肩上がりで推移している企業は、次のような評価が可能です。

  1. 資本効率の改善が進んでいる:
     ROICが着実に上昇している点から、経営の効率化が進み、投資が成果を生んでいることが分かります。
  2. 企業価値創造に成功している:
     2027年以降のROICは10%を超えており、資本コストを大きく上回っている可能性が高いです。これは、企業が「投資に対して十分な利益を上げている」状態を意味します。
  3. 長期投資対象として魅力的:
     将来にわたって高いROICを維持・向上させる見込みがある企業は、株主価値を高める可能性が高く、長期保有にも適しているといえます。

このように、ROICの将来予測をもとに企業を分析することで、「今後も安定して価値を生み出せる企業かどうか」を見極める判断材料となります。

■ まとめ

ROIC(投下資本利益率)は、企業の投資効率や経営効率を測るうえで非常に重要な指標です。ROEとの違いを理解し、資本コストと比較することで、企業の真の価値創造力を評価することが可能になります。

将来のROICが上昇傾向にある企業は、経営改革や戦略的な投資によって高い収益性を実現している可能性があり、投資家にとって注目すべき存在といえるでしょう。

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この記事を書いた人

私が勉強したこと、実践したこと、してることを書いているブログです。
主に資産運用について書いていたのですが、
最近はプログラミングに興味があるので、今はそればっかりです。

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